2月6日から14日にかけて春節休暇に入った台湾において、その初日の2月6日午前3時57分(日本時間:午前4時57分)、高雄市美濃区を震源としたマグニチュード6.4の地震が襲った。
それから1週間。昨日、倒壊した台南市永康区の16階建てマンション「維冠金龍」で行方不明になっていた住民の最後の1人が13日午後3時57分、救助隊によって遺体で発見された。これで、倒壊マンションでの死者は114人、全体では116人となった。
中央通信社は「最後に見つかったのはマンション管理委員会の主任委員を務める男性。頼清徳・台南市長は、男性は強い責任感から、全ての人が発見されるのを見届けたかったのではと語った」と報じた。
地震発生から不眠不休で指揮を執ってきた頼清徳・台南市長は午後4時20分、記者会見を開いて捜索活動の終了を表明、救援や支援の手を差し伸べた台湾の各界や国際社会に感謝を伝えた。
なお、台南市政府消防局は、頼市長の記者会見に合わせて亡くなった116人全員の氏名と年齢などを発表している。この死亡一覧を見ていると、「女童7歳」「男童4歳」などの表記が目につく。朝日新聞は「マンションは周辺相場より価格が安かったため、若い家族が多く入居。12歳以下の子どもが少なくとも26人犠牲になる惨事となった」と伝えている。
16階建てマンション「維冠金龍」に死者が集中したことについては、マンションの設計や構造に問題があったのではと指摘され、昨日、台南市の曽旭正副市長もNHKの取材に対し施工や設計に問題があったとの見方を示している。やはり人災だったことは否めないようだ。
捜索終了 台南市長宣言 死者は116人
【毎日新聞:2016年2月14日】
台湾南部を襲った地震は13日で発生から1週間となった。最大の被害を出した台南市の16階建ての倒壊ビルについて、頼清徳市長は同日夕、行方不明者をすべて発見したとして現場での捜索活動の終結を宣言した。ビル現場での死者は114人、全体では116人に上った。負傷者は550人。
市政府は地震発生から約180時間後の13日午後3時58分(日本時間同4時58分)、最後の行方不明者だった男性1人の遺体を発見。頼市長は記者会見し、「すべての行方不明者の捜索を完了した」と宣言。会見開始前には頼市長らが犠牲者に黙とうをささげた。
このほか女性1人の行方不明情報が寄せられていたが、頼市長は、女性はビルの住民ではなく、当時ビルにいたのかあいまいなうえ、地下約3メートルまで掘って確認したが発見されなかったとして「女性はビルにはいなかったと判断した」と説明した。