日本時代に当時の台北駅西側に建設された「三井物産株式会社旧倉庫」が、北門付近の都市整備計画に伴い移築されて保存されることが決まった。倉庫はすでに台北市から歴史的建築に指定されている(建築年代は不詳)。
現在の台北駅西側にはこの三井物産倉庫や清朝時代の北門をはじめ、1910年(明治43年)に建築された鉄道部台北工廠車両修理工廠(戦後は鉄路局講堂として使われた)や鉄道部の宿舎群など、古蹟が集まる地域となっている。
加えて、まもなくの開業が伝えられる台北駅と桃園空港を結ぶMRTのターミナルも現在の駅舎西側に完成しており、台北市政府は古蹟の保存と、交通インフラの整備の両輪を進めるべく、三井物産倉庫の移転を決めた。
倉庫は現在の場所から70メートルほど東に移される予定で、付近では2007年にも鉄道部台北工廠車両修理工廠が30メートル移築されたことがある。三井物産倉庫はレンガと木造による混合の二階建てで、二階部分には三つの長窓があり、往時の面影を今に伝えている。