3月14日、宮城県の栗原市(佐藤勇市長)と台湾の南投市(宋懐琳市長)が国際友好交流協定を締結した。地元紙の河北新報が伝えているので下記に紹介したい。

佐藤勇(さとう・いさむ)市長は宮城県議会議員時代の5期目に県議会議長に就き、平成17年(2005年)5月、栗原郡の全町村が合併して誕生した栗原市の初代市長に当選し、現在、3期目。

昨年7月に李登輝総統が来日し、宮城県まで足を延ばして松島・瑞巌寺に建立されている李総統ご夫妻の句碑などを周られたとき、宮城県庁(村井嘉浩知事)、宮城県日台親善協会(相沢光哉会長)、本会宮城県支部(嶋津紀夫支部長)が共催して歓迎晩餐会を開いた。佐藤市長も来賓として出席し挨拶している。台湾への関心は深い。

河北新報の記事によれば「栗原市は防災を軸に南投市と友好関係を構築してきた。栗原市が海外の自治体と交流協定を結ぶのは初めて」だという。

一方の南投市の宋懐琳市長は女性市長。台中市の東海大学大学院修士課程を修了後、南投県議会議員を4期つとめた後に市長に当選している。南投市も、日本の自治体と協定を結ぶのは初めてのことだ。

現在、本会調査によれば日台の姉妹都市や友好交流都市の提携は43件。栗原市と南投市のこの提携で44件となった。これまで南投県では、お茶やシイタケで有名な鹿谷郷が1988年5月に福島県の玉川村と結んだ友好都市が唯一の日本との自治体提携だった。南投市で2件目。心から祝意を表し、末永い交流を期待したい。

なお、本会HPには、これまで本会が調査した「日台姉妹交流」の一覧を掲載している。

栗原市

南投市


<台湾地震>被災の南投市と栗原市が友好協定

【河北新報:2016年3月15日】

協定書に署名し、握手する佐藤栗原市長(左二)と宋南投市長(右二)【河北新報社のHPより】

栗原市と台湾大地震(1999年)で大きな被害を受けた台湾・南投市の国際友好交流協定の調印式が14日、栗原市役所であった。岩手・宮城内陸地震(2008年)の最大被災地、栗原市は防災を軸に南投市と友好関係を構築してきた。栗原市が海外の自治体と交流協定を結ぶのは初めて。

南投市側は宋懐琳市長ら14人が出席。宋市長と佐藤勇栗原市長が両市の経済や文化の発展、市民交流の促進などを盛り込んだ協定書に署名した。佐藤市長が「修学旅行など、まずは子どもたちの文化交流を図りたい」と話すと、宋市長は「互いの文化を知るべく、小中学生の訪問団をつくりたい」と応じた。

宋市長らは17日までの日程で、栗駒山麓に位置する内陸地震で生じた大規模崩落地やイワナ養殖の発祥地などを視察する。

南投市は約2500人が死亡した台湾大地震の震源地・南投県の政府所在地で人口約10万。栗原市は職員を派遣するなどして友好関係を築いてきた。