蔡英文主席(当時)の訪日でも重要な役回りを果たしたとされている

5月27日、外交関係のない日本との窓口機関である亜東関係協会は理事会を開き、次期会長に邱義仁・元行政院副院長を選出した。

邱義仁氏は1950年、台湾生まれの66歳。台湾大学哲学系卒、台湾大学政治研究所中退、米シカゴ大学政治学修士。1986年の民進党結成時のメンバーとして参加。2000年からの陳水扁政権では行政院副院長や国家安全会議秘書長などの要職を歴任した。

2008年、パプアニューギニアとの外交関係樹立を目的とした機密費が不明瞭となった事件により、当事者の一人とされた邱氏は行政院副院長を辞任。民進党も離党するとともに、政界から身を引くと宣言して、台湾南部で農業に従事する姿が報じられたこともあった。2012年にすべての事件で無罪判決が確定すると、北海道大学や京都産業大学などで客員研究員としておよそ一年半、日本に滞在した。

その後、蔡英文・現総統が民進党主席に就任した際には顧問として政界に復帰。主に政策面で蔡氏をバックアップしているとされる。2015年秋の蔡氏訪日時にも同行し、日本側と太いパイプを築いている様子を伺わせていた。

今回の人事によって、台湾における対日外交窓口である亜東関係協会会長に邱義仁氏、駐日大使に相当する駐日代表に謝長廷氏と、ともに党重鎮を起用したことで、多くのメディアが蔡英文政権の日本重視の姿勢が表れと報じている。