このたび蔡英文総統の任命を受け、駐日代表として2016年6月9日に着任いたしました。台湾と日本は歴史的、地理的に特別深い関係があり、経済、文化、観光などの交流も極めて緊密であり、自由、民主主義、法治、人権などの普遍的価値観を共有する大切な友人です。蔡総統は、台日関係を極めて重視しており、私はこれまで皆様方のご尽力により積み重ねられてきた強固な基礎の上に、引き続き良好な関係を発展させてまいりたいと思っております。
私は着任の翌日、早速、九州の熊本の被災地を訪問し、被災された方々へお見舞いの意を伝えてまいりました。台湾と日本は、地震が頻発する点も共通しており、これまで1999年の台湾中部大地震、2011年の東日本大震災、今年2月の台湾南部地震、そして今回の熊本地震と、双方は互いに助け合う関係を築き上げてきました。この関係は双方の国民感情が友好的である具体的な表れといえます。
台日関係は、長年にわたり公益財団法人交流協会、日華議員懇談会をはじめとする日本各界の多大なご協力により、これまでノービザ観光、投資協定、防災協力など、さまざまな分野で、具体的な進展が見られました。今後もこれらの基礎の上に、引き続き超党派でさらなる台日間の協力を進めていくことを願っています。
わが国は、アジア太平洋の地域経済統合への参加を目指しており、台日FTA(自由貿易協定)またはEPA(経済連携協定)の締結を推進していくとともに、引き続きTPP(環太平洋パートナーシップ協定)やRCEP(東アジア地域包括的経済連携)への参加を日本の協力を得ながら推進していくことを望んでいます。台湾は地域の安定と発展のために日本、米国、アジア太平洋の国々との経済・貿易関係を強化すると同時に、「平和の忠実な守護者」および「平和のための積極的なコミュニケーター」となるよう努めてまいります。
台湾にとり日本は、近い隣国であり、親しみがある国であるとともに、経済や安全保障における重要なパートナーでもあります。私は、これまでの基礎の上に、台湾と日本がますます親しく協力を深めていくことにより、運命共同体になれると信じています。引き続き台日関係の発展のために皆様のご支持とご協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。