7月4日、沖縄県で百貨店を手掛けるリウボウインダストリーが台湾百貨店大手の太平洋そごうと業務提携したと正式に発表した。
ちなみに、リウボウインダストリーの「リウボウ」の名前は、その前身の「琉球貿易商事株式会社」に由来すると言われる。また、太平洋そごうは、日本のそごう・西武と提携している台湾資本(遠東グループ)の百貨店で、台湾全土に8店を展開。旗艦店の忠孝館の売上高は500億円で、企業年商は1400億円(流通ニュース)だという。
日台間では、自治体の都市間提携や鉄道提携、学校間の姉妹提携、学術協定、図書館協定、温泉協定などさまざまな協定が網の目のように結ばれている。銀行間の業務提携も進んでいる。今度はデパート同士の業務提携だ。恐らく日台初のデパート提携だろう。心から祝意を表するとともに、それを伝える日本経済新聞の記事を紹介したい。
リウボウ、台湾百貨店と提携発表
【日本経済新聞:2016年7月4日】
沖縄県で百貨店を手掛けるリウボウインダストリー(那覇市、糸数剛一社長)は4日、台湾百貨店大手の太平洋そごうと業務提携したと正式に発表した。太平洋そごうが発行するポイントカードを持つ訪日客に特典を与えるほか、26日から台北市で開催する物産展をプロデュースする。台湾で知名度を上げ、インバウンド(訪日外国人)の買い物需要を固める。
提携の柱はポイントサービスの拡充だ。台湾の百貨店やコンビニが加盟する最大の共通ポイントサービス「ハッピーゴー」のカードを持つ顧客がデパートリウボウで買い物する際に割引サービスを受けられる。
カードとパスポートを提示すれば、3千円以上の買い物で5%割引の優待券がもらえる。「爆買い」を念頭に30万円利用するごとに台湾のそごう各店で使える約1万円分のクーポン券の引換券も配布する。
台湾で沖縄観光やリウボウの知名度を上げるための施策も展開する。7月26日から8月9日まで台北市の太平洋そごうの旗艦店で開く物産展「日本今昔 全国商品展」に参加。リウボウが選んだエーデルワイス沖縄の洋菓子やフォーモストブルーシールのアイスクリームなどの食料品、伝統工芸を生かしたバッグやアクセサリーを販売する。
糸数社長は4日の記者会見で「沖縄も将来は人口が減少し、市場は縮小する。アジアの成長を取り込まないと今後の成長はない」と強調した。香港や韓国などアジアの他地域への営業を増やす考えを示した。