5月20日の総統就任式において、蔡英文総統は「より良い国を作るため、新政権は以下のことを成し遂げる」として、第1に、経済発展の新たなモデルを打ち出すことなどを含む経済構造の転換、第2に「年金改革国是会議」の開催などを含む社会のセーフティーネット強化、そして、第3に挙げたのが司法改革の推進を謳った社会の公平と正義だった。
「司法は人々の信任を失い、犯罪に対応できず、正義を実現する最後の一線の機能を失ったと、多くの人々が感じている。新政権の決意を示すため、10月に『司法国是会議』を開く」と宣言した。
そこで大切な人事となるのが司法院だ。総統府は昨日(7月11日)、蔡英文総統が「謝文定氏を司法院大法官並びに司法院長に、林錦芳氏を大法官並びに副院長に指名したと明らかにした」という。台湾の台湾国際放送が伝えているので下記に紹介したい。
ちなみに、改革の第4は「地域の平和で安定した発展と両岸関係」、第5が「台湾を世界に踏み出させる一方、世界を台湾に呼び込む」外交と世界的な課題だ。
蔡・総統、司法院の正副院長を指名
【台湾国際放送:2016年7月11日】
総統府の黄重諺・報道官は11日、蔡英文・総統はすでに司法院の頼浩敏・院長、蘇永欽・副院長の辞任を批准すると共に、謝文定氏を司法院大法官並びに司法院長に、林錦芳氏を大法官並びに副院長に指名したと明らかにした。11日に立法院の同意を求める。謝文定氏は現在、公務員懲戒委員会の委員を務めており、林錦芳氏は司法院の秘書長を勤めている。
黄・報道官は、謝文定氏は経験豊かで優秀な司法官で、これまでの法務部、司法院での仕事ぶりは各界から高く評価されていると指摘、豊富な実務経験を積み重ねている他、改革の推進に向けた理念も示してきたと説明した。
蔡英文・総統は、司法改革こそ司法院が今取り組むべき重要な任務で、司法実務の経験豊富な謝文定氏が院長を務め、改革の方法と決意を示し、司法体系の絶え間ない進歩をリードしていく必要があると考えている。