台湾の報道によれば、台南市政府は市内にある日本時代の建築物群「水交社宿舎」を再整備し、将来の文化テーマパークにする工事が着工したという。
下記に中央通信社の報道をご紹介したい。
日本統治時代の宿舎群修復へ 将来は複合型文化スポットに/台湾・台南
台南市政府は日本統治時代に建設され、80年以上の歴史を擁する「旧水交社宿舎群」を複合型文化パークとして再活用する計画を進めている。将来的に敷地内には劇場や文学サロン、眷村物語館、明清遺跡館など様々な施設が設置される予定。
10日に行われた着工式に出席した頼清徳市長は、同パークが憩いの場所にもなり、多くの面において同市にプラスの要素をもたらすようになればと期待を寄せた。完成予定は2018年8月。
同市文化局によれば、同宿舎には日本統治時代、台南飛行場で防衛に当たった台南海軍航空隊の軍人とその家族が居住していた。戦後は空軍総部の前身である航空委員会が同地を接収。基地として利用されたほか、軍人やその家族の住居が続々と建設され、それらの人々の住む集落「眷村」が形成された。建物の構造や内装は精巧で、当時の高級武官宿舎の特色が表れている。宿舎群のうち8棟が2004年に市指定文化財に登録された。
頼市長によると、敷地内の一部はすでに完成しており、伝統工芸に従事する場として12人の工芸家に提供されている。
頼市長は、文化財や古民家、歴史的建築物などを重視する市の政策を強調。歴史的建築物とクリエイティブ産業などを融合させ、人気を集めている「林百貨」を例に挙げた上で、古建築の活用によって観光客を呼び込みたい考えを示した。
同市文化資産管理処によると、総事業費は2億5188万台湾元(約8億700万円)。そのうち、文化部から6875万元(2億2000万円)、国防部から3400万元(約1億900万円)の補助金が出ている。