新北市淡水区にある市指定文化財「淡水街長多田栄吉故居」が18日、1年余りに及ぶ修復工事を経て一般公開された。
この建物は日本時代に建設された旧邸宅。このエリアに残されている歴史的建築物は洋館が多く、保存状態が良好な日本式建築は珍しい。
同市立淡水古跡博物館の紀淑娟・館長は、周辺の洋風建築とは大きく異なる和風の雰囲気を感じてもらえるものと期待を込めて話す。
この邸宅は昭和5年から9年頃にかけて当時の第4代街長(現在の区長に相当)を務めた多田栄吉が建設したもので、敷地面積は約100坪に上り、建材にはタイワンベニヒノキが使用された。
また、台湾全土で最も早く水道を引いた住宅の一つとされており、地域の発展を示す存在としての保存価値も有するため、2005年に市指定文化財に登録されている。
建物の内部には和室が再現されているほか、修復工事中に発見された鬼瓦や文物などが展示されている。
見学時間は、平日は午前9時30分から午後5時まで(週末は午後6時まで)。室内の見学は予約制で、希望日の2週間前までに申込が必要。
予約は淡水古跡博物館のHPなどで受け付けている。