力強く講演を行う李総統(ANAインターコンチネンタル石垣リゾートの会場にて)

7月31日午後2時から石垣市内のANAインターコンチネンタル石垣リゾートで開かれた李登輝総統の講演会には、離島にもかかわらず全国から500人を超える人々が集い、「地方から発信する日台交流の深化─石垣島の歴史発展から提言する日台交流のモデル」と題した講演に耳を傾けた。

講演会は、伊藤純子氏(群馬県伊勢崎市議)と柿沼貴志氏(元埼玉県行田市市議)の2人による司会によって進められた。

主催者としてまず、今回の招聘元の「李登輝元総統沖縄県石垣市招聘事業実行委員会代表世話人」で全国青年市長会会長をつとめる吉田信解・埼玉県本庄市長が挨拶。次に、実行委員会副代表世話人で 全国青年市長会副会長をつとめる中山義隆・石垣市長が歓迎の挨拶。

引き続き、謝長廷・台北駐日経済文化代表処代表が来賓として、流暢な日本語で挨拶。その後、李登輝総統による講演が行われた。

ご講演では、台湾からパイナップル栽培や水牛耕作が石垣島に持ち込まれた歴史に触れ、戦前・戦後を通じて密接な関係にあることを強調、日台間交流の深化のモデルになると述べるとともに、浜田宏一氏との共著『日台IoT同盟─第四次産業革命は東アジアで爆発する』にも言及、「日本企業の研究開発力と台湾の生産技術が力を合わせれば、世界市場を制覇することも夢ではないのです。日本経済は再び成長路線に乗ることができるでしょうし、台湾がIoTの一大生産拠点になれば雇用も増えることでしょう。GDPの伸び率も3~4%は維持できる」と提案。

そこで、石垣島と台湾の交流に引きつけ「ここに、研究は日本、製造は台湾という、まさに石垣島における農業の発展に台湾からの移民の人々が大きく寄与したのと同様、日本と台湾が手と手を取り合って経済協力の深化を進めていく形が生まれるのです。これぞまさに、石垣島の歴史から見た、台湾と日本との交流をますます深化させるモデルになりうるといえるのではないでしょうか」と述べられるや会場から大きな拍手。

ご講演が終わるとさらに大きな拍手が巻き起こり、なんとスタンディングオベーション。この盛大な拍手に見送られて李元総統は降壇。その後、閉会の挨拶は本会常務理事で国際教養大学教授の梅原克彦氏。

この講演会の全容を日本文化チャンネル桜が8月5日に放映している。約55分。ご講演ばかりでなく、それぞれの挨拶も聞き応えのある内容で、55分がとても短く感じられる。

◆【日台交流の深化】李登輝元総統in石垣 講演会[桜H28/8/5]【55分8秒】