2013年7月31日に台北市と「観光交流都市協定」を締結した静岡県浜松市は、その後も台湾との交流が盛んだ。
2014年9月には鈴木康友(すずき・やすとも)市長が訪台して台湾サイクリスト協会(中華民国自行車騎士協会)に台湾のサイクリストとの交流継続を要請し、日月潭サイクリングイベントへ出展したり、台湾メディアを浜名湖へ招聘、また今年3月の浜松湖サイクルツーリングには日月譚からも参加するなど多彩な交流を展開している。
さらに、浜松市と台湾の中学生が野球を通じて交流を深める「国際親善中学野球大会台湾大会」に浜松市中学野球選抜団を派遣するなど積極的だ。
交流の一環として、来る8月28日、浜名湖と南投県内にある日月譚(じつげつたん)が友好交流協定を締結するという。地元紙の静岡新聞の記事を紹介するとともに心からお祝いしたい。
ちなみに、これまで日台間の湖提携は1件あり、秋田の秋田県の田沢湖と高雄市の澄清湖が1987年(昭和62年)11月4日に姉妹湖を結んでいる。浜名湖と日月譚が協定を結べば、29年ぶり2件目となる。
余談だが、本誌6月12号で中日新聞の記事を紹介しつつ浜名湖と日月譚の友好交流協定締結のことを伝えた際、日月潭の読み方に触れた。
中日新聞も静岡新聞も日月潭に「にちげつたん」とわざわざ振り仮名をふっている。しかし、広辞苑に「日月」は「じつげつ」とはあるが「にちげつ」はない。『大日本地名辞書』(冨山房、昭和42年刊)でも日月譚は「じつげつたん」であり、台湾の地名に精通する片倉佳史氏もその著『古写真が語る台湾』で「じつげつたん」と仮名をふっている。
最近はどの観光案内書も「にちげつたん」としている。新聞もそれに押されるように「にちげつたん」と仮名をふる。日月譚の場合はすでに「にちげつたん」という呼び名が定着した感があり、言葉の慣用読みは致し方ない面があるのは理解できるものの、台湾の地名を日本語読みする場合、なるべくは日本統治時代の読み方で読みたいものだ。
浜松市長、26日から台湾へ 日月潭と友好交流協定締結
【静岡新聞:2016年8月18日】
浜松市の鈴木康友市長は26~30日の日程で台湾を訪問し、浜名湖と同国南投県の湖「日月潭(にちげつたん)」の友好交流協定締結や誘客プロモーション、地元農産物の海外販路開拓に向けたトップセールスを行う。市が17日発表した。
日月潭は台湾中部に位置する風光明媚(めいび)な観光地として知られている。ロープウエーや遊覧船があるなど浜名湖と共通点が多く、サイクリングコースとしても有名。
協定の締結式は28日。鈴木市長が会長を務める浜名湖観光圏整備推進協議会が、台湾の南投県観光産業連盟協会と結び、民間交流の促進と観光客の誘致につなげる。鈴木市長はこのほか、市などが主催する食品販売プロモーション「浜松フェアin台湾」(27日)と市観光説明会・商談会(29日)に参加する。観光都市交流協定を結んでいる台北市の市長とも会談する予定。