今年も12月13日に「天皇陛下御誕生日祝賀レセプション」が台湾で開催された。今年は李大維・外交部長や邱義仁・亜東関係協会会長など外交をになう要人も臨席し、台湾各界から大勢の人々が参加、日本のナショナル・デーである今上陛下のお誕生日をお祝いした。
交流協会台北事務所が22枚の関係写真や沼田幹夫代表の挨拶全文とともに「開催報告」記事をホームページに掲載しているが、2003年に始められた当初は600人ほどだった参加者が、今年はなんと 860人余とのこと。ここにも日台関係がいかに緊密かが現れているようです。
本会にも2012年よりご案内をいただき、毎年「祝 天長節」と書いた立札の生花をお贈りしている。
ちなみに、台湾で「天皇誕生日祝賀レセプション」が始められたのは13年前の2003年(平成15年)12月12日のことで、故内田勝久・交流協会台北事務所代表の決断で開催した。この開催に猛抗議したのが中国だった。「絶対受け入れられない。即刻、中止すべきだ」と鬼のような形相で抗議したことを思い出す。
なぜ中国は台湾での開催に抗議したのか。それは、天皇誕生日祝賀レセプションが日本のナショナル・デー(国家の日)だからだ。
ナショナル・デーは、その国にとってもっとも記念すべき日として定めた記念日のことで、独立記念日や建国記念日が多い。アメリカなら独立記念日の7月4日、ドイツは東西ドイツ統一の10月3日、フランスはフランス革命記念日の7月14日、イギリスは女王誕生日の6月第2土曜日、中国は国慶節(建国記念日)の10月1日をそれぞれナショナル・デーと定めている。
そこで、各国の在外公館は年に1度、その国の要人を招いてナショナル・デーを祝う盛大な式典を開催している。
台湾でも、すでにアメリカをはじめドイツやイギリスなどがナショナル・デーを祝う式典を開いていた。そこで、日本も台湾で天皇誕生日祝賀レセプションを開こうと考え、当時の内田代表は外務省の了承を得て開催したのが2003年12月のことだ。
初開催の動きを知った中国は「交流協会が大使館など在外公館で行われている国家的行事を行うことは民間団体の活動範囲を超えている」と北京の日本大使館に抗議し、開催されれば対抗措置を取るとも示唆した。
しかし、台湾でアメリカをはじめとする各国がナショナル・デーを祝うのはよくて、日本はダメというのでは筋が通らない。内田代表は中国の抗議を尻目に淡々と進めた。内田代表が2005年に退任しても、その後の池田維、齋藤正樹、今井正、樽井澄夫の各代表、そして現在の沼田幹男代表も天皇誕生日祝賀レセプションを開き続けている。
中国の抗議はいまだに続いていると漏れ聞くが、外務省関係者は「李登輝元総統の来日にもいまだに中国は抗議してくるが、それと同じで形式」と指摘し、まったく意に介していない。硬い土は掘れないことを、天皇誕生日祝賀レセプションは証している。
平成28年度天皇誕生日レセプション(開催報告)
【交流協会台北事務所HP:2016年12月14日】
12月13日(火)、18時半より国賓大飯店にて平成28年度天皇誕生日祝賀レセプションを開催しました。
レセプション冒頭の挨拶において沼田幹夫・交流協会台北事務所代表は、日台間における人的交流の重要性に言及しつつ、台湾を訪れる日本人観光客の増進に、より一層努力する旨を述べました。また、今年の6月に行われたNHK交響楽団の公演や、嘉義県の故宮南院において12月10日から開催中の東京・九州国立博物館による日本展について言及し、日台の交流が非常に盛んである旨述べました。また、日本産食品の輸入規制解除の問題については、台湾側関係者の皆様と引き続き協力し、問題の解決に向け努力していく旨述べました。
当日は李大維・外交部長、邱義仁・亜東関係協会会長に登壇挨拶いただいたほか張博雅・監察院長、蔡其昌・立法院副院長、蕭萬長・元副総統、王金平・元立法院長、連戦・中国国民党名誉主席をはじめとした台湾各界やその他の国々の貴賓が数多く参席されました。
文化団体表彰では、今年は「中華民国剣道協会」と「台湾川柳会」が受賞し、沼田代表より感謝状が授与されました。
会場では、伊勢志摩サミットの乾杯酒として使用された三重県の地酒「半蔵」や、甲州ワインで知られる山梨県特産ワインをご賞味いただきました。
さらに、台北市日本工商会のご協力も得て、企業7社(PILOT(ボールペン)、モンテール(洋菓子)、麒麟ビール(生ビール等)、鷲鷹企業(日本酒等)、大関(日本酒)、源吉兆庵(和菓子)、博多一幸舎(ラーメン))及び自治体4県(沖縄県、静岡県、富山県、福島県)にご協力いただき、日本食や日本製品が提供されました。当日は約860人の方々にご参加いただき、盛況のうちに閉幕しました。