20170112-011月8日、「台湾優先、自由第一」をモットーに掲げる自由時報の発行人兼董事長をつとめる呉阿明氏が亡くなられた。享年93。12日付の自由時報が伝えました。心からお悔やみ申し上げます。

呉阿明氏は毎日必ず自分で車を運転して出社し、翌日の社説原稿に目を通してから帰宅するのが常だったそうで、日本との交流にも人一倍尽力されました。昨年11月の秋の叙勲では、自由時報の発行責任者兼董事長として、長期にわたって迅速かつ正確な日本報道を通じ台湾における日本理解促進に大きく寄与し、また、日本の青少年を対象とした交流を支援し、日本人の台湾理解促進にも多大な御貢献をいただいたということで、羅福全・元亜東関係協会会長とともに旭日重光章を受章されています。

本会が政策提言として日台関係基本法(日本版・台湾関係法)制定を発表した2013年4月、この政策提言をとりまとめた本会の「日米台の安全保障等に関する研究会」(座長:川村純彦副会長)が訪台したおり、内湖の自由時報社に呉阿明氏を訪ねたことがありました。

川村座長から日台関係基本法について説明すると、呉氏が「この法律をぜひ制定してください。日本と台湾に必要な法律です」と、にこやかな感じながらも毅然と応じていただいたことがとても印象深く残っています。

呉氏の生きている間に日台関係基本法を制定できなかったことに忸怩たる思いが残ります。今年こそは呉阿明氏をはじめ台湾の人々が期待する制定を実現すべく力を注ぎたいと思います。


台湾・自由時報の呉阿明会長死去

【産経新聞:2016年1月12日】

台湾の有力紙「自由時報」の発行人で、董事長(会長)の呉阿明氏が8日、自宅で死去した。12日付の同紙が伝えた。92歳。日本統治時代の台湾出身で、戒厳令時代の地方議員を経て同紙の創刊に参加した。

自由時報は1980年の創刊で、台湾独立色の強い論調で知られる。知日派の呉氏は、台湾での日本理解に貢献したとして、昨年秋の叙勲で「旭日重光章」を受章していた。近親者による葬儀は11日に行われた。