2月8日、兵庫県立考古博物館(和田晴吾・館長)と新北市立十三行博物館(陳春蘭・館長)が姉妹館提携と学術文化交流協定を締結した。
日台間では博物館同士の提携が少なくない。本会が確認したところによると、2013年以降には下記の7件が結ばれている。
・京都大学と成功大学の博物館協力覚書(2013年9月11日)
・国立歴史民俗博物館と国立台北芸術大学の交流協定(2013年10月2日)
・西都原考古博物館と十三行博物館の姉妹館(2013年12月23日)
・国立民族学博物館と順益台湾原住民博物館の学術協力協定(2014年4月1日)
・国立歴史民俗博物館と国立台湾歴史博物館の協力協定(2014年7月10日)
・国立民族学博物館と国立台湾歴史博物館の学術研究交流協定(2015年10月16日)
・アイヌ民族博物館と国立博物館の博物館協定(2015年11月29日)
もちろん、2013年以前にも博物館同士の提携はあったかと思われ、確認でき次第、何らかの形でご紹介したい。
十三行博物館と姉妹館を提携し学術文化交流協定も結んだ兵庫県立考古博物館は今年の夏、「パイワン族の文化を紹介する特別展を開催」する予定だという。
実は、蔡英文総統の祖母はパイワン族の出身で、蔡総統は自らの身にパイワン族の血が流れていることを誇りにしている。今夏、兵庫県立考古博物館に足を運んでパイワン族の文化を見ていただきたい。
兵庫県立考古博物館と十三行博物館が姉妹館提携と学術文化交流協定の締結に心から祝意を表するとともに、中央通信社の記事をご紹介したい。
台湾・新北と兵庫の両博物館が姉妹館に パイワン族関連の展示 日本で実施へ
【中央通信社:2017年2月9日】
新北市立十三行博物館は8日、兵庫県立考古博物館と姉妹館提携と学術文化交流協定を結んだ。今後は交流を通じ、台湾の考古と先住民の文化を世界に伝えていきたいとしている。今夏には兵庫県立考古博物館で、台湾原住民(先住民)パイワン族の文化を紹介する特別展を開催する。
十三行博物館は台湾北部の先史時代後期の十三行文化を主に研究し、現在の新北市八里区にあたる淡水河河口の南岸で発見された、今から1800~500年前の人々の生活の軌跡が残る十三行遺跡から出土した文物などを収蔵。世界各地の先史文化やオーストロネシア語族、先住民に関する特別展も不定期で開催している。
新北市文化局によると、同館は考古博物館が開催する「全国古代体験フェスティバル」に2012年から毎年参加しており、密接な交流を続けていた。協定の締結は、資源の分かち合いと交流をさらに進めていくのがねらい。
十三行博物館によれば、今年7月に考古博物館で開催する特別展では、とんぼ玉やヒャッポダ(百歩蛇)のトーテムが施された壺、青銅刀などパイワン族の特徴的な文物を展示。日本の人々に台湾原住民の文化を理解してもらいたいとしている。