記者会見の様子(左から沼田幹夫・日本台湾交流協会台北事務所代表、柯文哲・台北市長、林滄智・早大台湾校友会会長)

1895年(明治28年)の領台からわずか22年後の1917年(大正6年)、早稲田大学野球部は台湾遠征を行った。

この遠征を敢行した早大野球部監督は「日本野球の父」と呼ばれた安部磯雄で、記録では台北で6試合、高雄で1試合を行ったとされている。

これが台湾における野球ブームの嚆矢となり、以後日本内地との野球を通じた交流も増加したという。もちろん、こうした野球熱が十数年後には台湾全島に伝播し、一昨年に公開された映画「KANO」のモデルとなった嘉義農林の活躍に繋がったことは言うまでもないだろう。

今年は、その早大野球部台湾遠征からちょうど100周年にあたるため、早大台湾校友会(林滄智会長)が大学野球部へ台湾遠征を要請したところ快諾を得られ、このほど2月下旬から3月上旬にかけて応援部やチアリーディング部とともに来台することが決まったという。

2月10日には台北市内のホテルにおいて、柯文哲・台北市長や沼田幹夫・日本台湾交流協会台北事務所代表らも出席して記者会見が行われた。挨拶に立った柯市長は「台北で試合が行われる天母球場は、2017年のユニバーシアード競技大会会場でもあり、今回の記念試合が前哨戦となって盛大に行われることを期待している」などと話した。

また、沼田代表も「台湾の政界、財界には2500人を超える早大OBがいると聞いている。世界の王さんも、映画『KANO』の主人公、呉明捷も早稲田出身だ。この記念試合を通じて日台の関係がますます強くなると信じている」と話した。

台湾の大手テレビ局、民視で放映された王貞治氏のビデオメッセージ

会場では日台双方で抜群の知名度を誇る王貞治氏(現、ソフトバンクホークス会長)のビデオメッセージが流され、王氏は「今回のテーマは『一球入魂』です。ファンの皆さんはぜひこの『一球入魂』を見るために球場へ足を運んで下さい」などと激励した。

記念試合は下記の通り台湾各地で計4試合が行われる予定。入場は無料(来賓席以外、チケット不要)。

3/1(水)早稲田大学 vs 遠東科技大学
     会場:台南善化棒球場

3/2(木)早稲田大学 vs 高苑科技大学
     会場:高雄立徳棒球場

3/4(土)早稲田大学 vs 国立台湾体育運動大学
     会場:台中台体大棒球場

3/5(日)早稲田大学 vs 中国文化大学
     会場:台北市天母棒球場

※各試合とも、13:00からセレモニー、14:00にプレイボールの予定。

お問い合わせは早稲田大学台北稲門会へ。