赤間二郎・総務副大臣が24日夜、日本台湾交流協会が主催して台北市内で行われる地方創生イベント「多彩日本」に出席するため台湾桃園国際空港に到着、沼田幹夫・日台交流協会台北事務所代表らの出迎えを受けた。
日本政府が副大臣級の高官を台湾に公務として正式に派遣するのは、1972年に台湾と断交して以来、初めてのこと。
空港ではNHKのインタビューに対し「日本の地域の魅力発信の支援事業への参加が目的だ。今回の訪問については、日本政府として地域の魅力発信に力を入れているということの表れだろうし、日中関係や日台関係については、これまでと変わらない枠組みの中で行うということには変わりはない」と答えている。また、滞在中、台湾の高官との会見予定も「特にない」という。
赤間副大臣は25日午前11時から、台北市内の「華山1914文化創業エリア(中4B)」で開かれる「多彩日本」の開幕式典に出席し、祝辞を述べる。イベントは25日と26日ともに午前11時から午後7時まで開かれている。
各社の報道では「2006年8月に農林水産省の宮腰光寛副大臣が私的に訪台し、陳水扁総統(当時)と会談した例がある」としか触れられていないが、実は東日本大震災が起こった2011年5月4日に衛藤征士郎(えとう・せいしろう)衆議院副議長が訪台、また8月12日には溝畑宏(みぞはた・ひろし)観光庁長官も訪台している。ともに東日本大震災への御礼のための訪台で、衆議院副議長も観光庁長官も初めての訪台だった。
2012年に入ってからは11月29日に日本と台湾で「相互承認協定(MRA:Mutual Recognition Agreement)」を締結したとき、経済産業省の上田隆之・通商政策局長が訪台して立ち会っている。
とはいえ、日本政府として副大臣級の高官を正式に派遣するのは初めてであり、台湾国内でも「日台関係がまた大きく『突破した』」と大きく報道されている。