自民党青年局は45歳以下の党員で構成され、国会議員は衆議院議員が当選3回以下、参議院議員が当選2回以下に資格があるという。

青年局長は総理大臣への登竜門とも言われ、これまで竹下登、宇野宗佑、海部俊樹、安倍晋三、麻生太郎の各氏が総理に就いている。中川昭一、額賀福志郎、古屋圭司、岸田文雄、下村博文、水野賢一、萩生田光一、小泉進次郎などの各氏も青年局長をつとめ、現在は鈴木馨祐(すずき・けいすけ)衆議院議員が青年局長をつとめている。

青年局の海外研修先としては必ず台湾を訪問し、安倍総理や重鎮の多くは青年局長のときの訪台が台湾認識を深め、親台派になるとも言われている。

鈴木馨祐・青年局長を団長として3月18日から20日まで訪台し、蔡英文・総統、陳建仁・副総統、蘇嘉全・立法院長らを表敬訪問し、また李登輝総統にもお目にかかったという。桃園市では鄭文燦市長、台南市では頼清徳とそれぞれ食事をともにしながら懇親を深めたともいう。

李登輝総統のご自宅を表敬訪問した自民党青年局の一行(李総統の左が鈴木青年局長。自民党青年局HPより)

総統府HPより

蔡総統のツイッターはほとんど英語でツイートしているが、3月21日は鈴木局長らと会った感想を、なんと日本語で「台湾と日本の若手政治家が手を繋ぎ、交流をさらに深めていただきたい」とつづり、写真とともに下記のようにツイートしている。

<鈴木けいすけ衆議員が率いる日本自民党青年局の皆さまと総統府で会合を行いました。彼らがいつも台日交流を積極的に図り、台湾訪問を国際交流の「起点」にすること、大変感銘しています。台湾と日本の若手政治家が手を繋ぎ、交流をさらに深めていただきたいと願います。>(3月21日)

ちなみに、蔡総統の日本語によるツイートは3月11日、「東日本大震災で犠牲された方々のご冥福をお祈り、被災者の皆様に心よりお見舞いを申し上げます」とツイートして以来だった。

一方、鈴木局長もまた訪台の感想を自らのブログで「日米の東アジアにおけるもっとも価値と利害を共有するパートナーの一つとして、今後さらなる関係強化に向けて努力していきたい」とつづっており、自分のHP内の「活動報告」に李登輝総統のご自宅を訪ねた写真などを掲載している。

3月29日、鈴木局長らは首相官邸に安倍晋三総理を訪ねて台湾訪問を報告、安倍総理は「台湾は価値と利害を共有している大事なパートナーだ。青年局を中心に関係をしっかりと強化してほしい」と話したそうで、日本経済新聞が伝えている。下記にその記事をご紹介したい。

自民党青年局のホームページでも、写真とともに安倍総理に報告する様子や訪台時のこともレポートしているので併せてご紹介したい。

安倍総理が鈴木局長に「(台湾との関係を)しっかりと強化してほしい」と激励の言葉を贈ったことは、この前日の3月28日に菅義偉・内閣官房長官が記者会見で表明したことと寸分もちがわない。中国の抗議に動じる様子はさらさらなく、日台関係を維持するのではなく「強化」してゆくと表明した。

安倍総理の発言は短いが、中国政府による赤間二郎総務副大臣の公務訪台に対する抗議を一蹴し、日台関係を強化する姿勢を鮮明にしたと言える。アメリカのトランプ政権、台湾の蔡英文政権とも符節の合う、なんとも頼もしい政権だ。

◆ブログ「政治家 鈴木けいすけの国政日々雑感」(3月22日:青年局長として台湾に公式訪問)

◆鈴木けいすけHP「活動報告」(3月19日 青年局幹部役員団での台湾訪問(2日目)

◆自民党青年局:安倍総理に台湾訪問を報告[3月29日]

◆自民党青年局:青年局幹部役員が台湾を訪問[3月21日]


首相「台湾は大事なパートナー」 党青年局長の訪台報告に

【日本経済新聞:2017年3月29日】

安倍晋三首相は29日、今月中旬に台湾を訪れた自民党の鈴木馨祐青年局長と首相官邸で会談した。鈴木氏は蔡英文総統との会談内容を報告。首相は「台湾は価値と利害を共有している大事なパートナーだ。青年局を中心に関係をしっかりと強化してほしい」と語った。鈴木氏が会談後、記者団に明らかにした。

日台関係を巡っては、赤間二郎総務副大臣が今月下旬に台湾を訪れ、日本の地域の魅力を発信するイベントに出席した。蔡氏は21日、鈴木氏との会談について「台湾と日本の若手政治家が手をつなぎ、交流をさらに深めていただきたいと願います」と日本語でツイッターに書き込み、日台友好をアピールしていた。

一方、中国は中国大陸と台湾が一つの国に属するという「一つの中国」原則を掲げており、日台の接近に神経をとがらせている。中国外務省は赤間氏の訪台について日本側に抗議した。