産経新聞の報道より

台北駅と桃園空港を結ぶ桃園メトロ(桃園MRT)が3月2日に正式開業し、利便性が一気に増した。台湾新幹線に続く日本企業連合(丸紅、川崎重工業、日立製作所)の仕事だ。

桃園メトロは、各駅停車で終点の環北まで全線を走る普通車(Commuter)と、台北―桃園空港第2ターミナル間を結ぶ快速タイプの直達車(Express)の2タイプあり、運賃は同一で台北―桃園空港間は160台湾ドル(約570円)。運行は午前6時から午後11時までで、どちらも15分間隔で運転されている。

世界各国の鉄道取材や撮影に携わっている三浦一幹(みうら・かずもと)氏が「東洋経済オンライン」に寄稿した乗車体験記を本誌で紹介したとき、「桃園MRTとスカイライナー(京成上野駅と成田空港駅間を走る京成電鉄の空港アクセス列車)との姉妹鉄道提携も、けっしてあり得ない話ではない」と書いたが、なんと「南海線」で関西国際空港へ乗り入れている南海電鉄と桃園メトロが昨日(4月24日)、友好協定を締結したという。

それも、関空を運営する関西エアポートと桃園国際空港を運営する桃園国際空港会社も加わった4社で協定を締結したという。どのように協力していくのか具体的なことは決まり次第発表していくそうだが、まずは鉄道乗車券の相互販売の検討を始めると発表した。

空港運営会社と空港と市内を結ぶ鉄道会社が協力してサービスを提供する取り組みは、日本初。また、南海電鉄が台湾の鉄道と提携するのも初めてのことだ。心から祝意を表し、産経新聞の記事を下記に紹介したい。

なお、南海電鉄と桃園メトロの鉄道提携は、去る4月1日の銚子電鉄と蘇澳線が姉妹鉄道締結に続き26件目となる(本会調査)。


南海が台湾の鉄道と提携 空港線で共通切符検討

【産経新聞:2017年4月24日】

南海電気鉄道は24日、台湾の桃園国際空港と台北市中心部を鉄道でつなぐ「桃園メトロ」と提携し、鉄道乗車券の相互販売の検討を始めると発表した。

関西国際空港に乗り入れる南海と、桃園空港と台北市内を結ぶ路線を1枚の切符で利用できるようにする計画。乗車券の販売のほか、沿線の観光地や商業施設の宣伝も行う。

提携には、関空を運営する関西エアポートと桃園空港の運営会社も加わった。

鉄道沿線や空港近隣の観光情報も発信。日台双方の利用客の増加につなげる。

格安航空会社(LCC)のピーチなど11社が関空と台湾の間で、週140便を運航。1月にはLCCの国際線用ターミナルが開業し、訪日リピーター客も増えているという。

南海電鉄の担当者は「台湾側と連携することで、鉄道を使う旅行者らの利便性を高めていけるサービスを考えていきたい」と話した。