今年の春の叙勲で、台湾からは許世楷氏(元台北駐日経済文化代表処代表)と黄茂雄氏(工商協進会栄誉理事長)が旭日重光章を受章し、黄天麟氏(台日文化経済協会会長)が旭日中綬章を受章されました。
本日午後3時から、皇居において重光章勲章伝達式が行われ、許世楷氏と黄茂雄氏ら受章者が臨席。菅義偉・内閣官房長官が侍立する中、安倍晋三・内閣総理大臣から勲章と勲記を伝達されました。その後、伝達された勲章を着用した受章者は配偶者を同伴し、皇居・豊明殿において天皇陛下に拝謁する栄に浴し、許世楷氏は盧千恵夫人を伴って臨まれたそうです。
【追記】中央通信社が、許世楷氏が「安倍晋三首相としばらく会話をした」ことを伝え、問題となっている世界保健機関の年次総会(WHA)への台湾の参加についての見解を伝えていますので、下記にご紹介します。
また、中央通信社の報道(中国語版)では、許世楷氏がインタビューに応じる動画や、皇居の中庭で他の受章者とともに記念撮影に応じる光景が報じられています。
許世楷元駐日代表「台湾は中国との関係考えるべき」=皇居で勲章伝達式出席
【中央通信社:2017年5月10日】
日本政府の春の外国人叙勲で旭日重光章を受章した許世楷・元台北駐日経済文化代表処代表(大使に相当)と黄茂雄・工商協進会栄誉理事長が9日午後、皇居で行われた伝達式に出席し、勲章を受け取った。許氏は式典後、中央社に対し、自身が日台の友好関係を少しずつ積み重ねてこられたことに満足する気持ちを示した上で、世界保健機関(WHO)総会の出席可否にからみ、「台湾は中国との関係をどのような関係にしたいかまずきちんと考えるべき」だと述べた。
この日午前の記者会見で菅義偉官房長官は、世界保健機関の年次総会(WHA)への台湾の参加を支持する考えを表明。許氏は伝達式で菅氏と顔を合わせたことを明かし、菅氏の発言のゆえんは日台間の良好な関係にあると語った。式に出席した安倍晋三首相ともしばらく会話をしたという。
許氏は台湾と中国大陸との関係について、中国大陸は台湾が中国大陸と合併して初めて目的を達成できたと考えるとし、これは危険な関係だと指摘。一方で、日本は台湾に特に何かを望んでいるわけではなく、もし中国大陸に対抗する場合には台湾と良い関係を築けるのではないかと考えているだけだと言及。日本は日台が国家の利益と安全のために力を合わせるのを望んでおり、日台にとって利益と価値は共通だと述べた。
さらに今回のWHA出席可否を巡り、中国大陸が台湾の参加を阻止しようとしている一方、日本は参加を支持していることに触れ、日台はいかにして力を少しずつ積み上げていくか一緒に考える必要があると指摘。こうすれば中国大陸にとっては圧力となり、中国大陸は台湾をいじめられなくなると語った。