公益財団法人日本台湾交流協会台北事務所の沼田幹夫代表は16日、台湾の国営メディアである中央通訊社の単独インタビューを受け、オブザーバー参加が絶望視されている台湾の世界保健機関(WHO)総会への出席を引き続き支持していく、開催期間中も出来るかぎりのことをする、などと話した。
日台交流協会台北事務所の代表は、国交があれば駐台大使に相当し、台湾における日本政府の最高責任者であり、日本政府の意志を表明する立場にある。
沼田代表の発言は、安倍政権が台湾に対して発言しているものと同意であり、台湾政府も日本政府の誠意を最大限に活かしてくれることを望みたい。
日本の駐台代表「台湾のWHA参加を支持」
日本台湾交流協会台北事務所の沼田幹夫代表は本日(5月16日)、中央通訊社の単独インタビューに応え、日本として台湾がオブザーバーの身分で世界衛生大会(WHA)に出席することを支持するとともに、大会開催中も「台湾を手助けするために、出来るかぎりのことをする」と話した。
第70回となるWHAは今月22日から31日までスイスのジュネーヴで開催される。台湾は2009年から「中華台北」としてオブザーバーの身分で出席してきたが、今年は世界保健機関(WHO)からの招待が届いていない。
日本政府は今月9日に菅義偉・官房長官が「台湾は2009年から8年連続でオブザーバーの身分でWHAに出席しており、日本はこれを一貫して支持してきた。伝染病をはじめとする国際的な衛生問題について、空白地帯が生まれることは望ましくなく、日本は何らかの形式で台湾がWHAに出席出来ることを希望する」と述べていた。
WHOが両岸関係を念頭に台湾のWHA出席を拒んでいる原因について、沼田代表は「中国の主張する『一つの中国』を台湾が認めていないこと」と分析し、「日本としては両岸問題が双方の対話によって平和的に解決されることとともに、引き続き台湾がWHAにオブザーバー出席出来るよう希望すしている」と話す。
さらに、菅官房長官は9日に各国に対して日本政府の立場を説明しており、その対象にはもちろん中国も含まれているという。
また、現段階ではWHAの開催期間中に日本がどのような方法で台湾を支持する行動が出来るかについてまだ公表は出来ないとしながらも、台湾がオブザーバー出席出来るよう、可能な範囲で出来るかぎりのことをする。
そして、日本は一貫して台湾がWHAをはじめとする国際会議に出席することを支持してきており、特に民間の航空機の安全など、グローバルな問題については、空白となる地域が生まれることを日本は望んでおらず、今後もこうした国際的な動きに台湾が関わっていけるよう支持していく、などと話した。