沖縄県東部消防組合消防本部のホームページによりますと、東部消防組合消防本部は沖縄県東部に隣接する与那原町(よなばるちょう)、南風原町(はえばるちょう)、西原町(にしはらちょう)の3町で構成され、面積31.76平方キロメートル、人口9万1,187人、世帯数35,121世帯(平成28年3月末現在)を管轄しているそうです。
6月1日、東部消防本部は基隆市消防局と「職員交換派遣協定」を締結し、6月と10月に職員1名を派遣し、2018年度に基隆市消防局の職員を受け入れる予定だそうです。地元紙の琉球新報が伝えていますので、下記に紹介します。
防災に関しては、これまで静岡県と新北市、台北市、台南市、桃園県、基隆市、嘉義県が2014年2月に「防災に関する相互応援協定」を結び、2016年1月に横浜市と台北市が「防災分野での協力覚書」を締結するという例はありましたが、日台間で消防署員を交換派遣するというのは聞いたことがなく、「職員交換派遣協定」を結ぶというのも初めてかもしれません。
記事では「港町で観光地でもあり、大都市に近い基隆市の特徴が、東部消防管内と似ていることなどから、職員交換が決まった」とありますが、沖縄と基隆という地理的、心理的な近さがそれを実現させたのかもしれません。心から祝意を表します。
東部消防組合、職員を台湾派遣へ 県内初 外国人救助学ぶ
【琉球新報:2017年5月31日】
東部消防組合消防本部の職員・浦崎直力(なおちか)さん(25)が6月から5カ月間、台湾北部の基隆市消防局に派遣される。海外からの観光客に対応するため、救急医療の現場に必要な専門的な中国語の習得を目指す。浦崎さんは「どの国の人が来ても安心できる沖縄にしたい」と意気込んでいる。
東部消防本部は6月1日、基隆市消防局と職員交換派遣協定を締結する。10月には2人目の職員を派遣し、2018年度に基隆市消防局の職員を受け入れる予定。港町で観光地でもあり、大都市に近い基隆市の特徴が、東部消防管内と似ていることなどから、職員交換が決まった。海外との職員交換は県内の消防署で初となる。
建設が進む大型MICE施設を管内に抱え、観光客の増加を見込む東部消防本部は16年10月から、多言語の通訳・翻訳サービスなどを行うチャイナゲートウェイから講師を招き、中国語研修を毎週実施している。今年4月には語学資格枠で4職員を採用し、職員の語学力強化に取り組む。
浦崎さんは「語学を身に付け、台湾文化も知りたい」と語る。城間満総務課長は「将来『本当は救えたはずの命を救えなかった』という後悔だけはしたくない。頑張ってほしい」と期待を寄せている。