新潟県の柏崎市議会は平成29年6月定例会議最終日の6月20日、議会運営委員会が提案していた「東京オリンピック・パラリンピックでの台湾選手団の呼称に関する意見書(案)」を、共産党も賛成する全会一致で可決しました。
おそらく、同趣旨の意見書の地方議会における可決は全国初ではないかと思われます。提案にご尽力いただきました三井田孝欧(みいだ・たかお)議員をはじめ、ご賛同いただいた議員の皆さまに心から御礼申し上げます。下記に可決された意見書をご紹介します。
本会では3月に開催した総会において、平成29年度事業計画として、引き続き戸籍や調理師免許証などの中国表記問題の解決に当たるとともに「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に台湾が参加する場合、これまでの『中華台北(チャイニーズ・タイペイ)』ではなく『台湾』の名称で参加できるよう取り組む」ことを「台湾正名運動の継続推進」の一環として可決・承認しています。
柏崎市議会の「意見書」可決は、本会などの活動を強力に後押しするものとなり、今後、本会も台湾と姉妹都市を提携している自治体などに働きかけていく予定です。
ちなみに、戸籍問題の意見書(「台湾出身者の戸籍における国籍欄を『国籍・地域』とし、その表記を『中国』から『台湾』に是正する民事局長通達の出し直しを求める意見書」)では、石川県議会、宮城県議会、柏崎市議会、鎌倉市議会、伊勢崎市議会が可決しています。
東京オリンピック・パラリンピックでの台湾選手団の呼称に関する意見書(案)
現在、オリンピックにおいて、台湾代表選手団は「チャイニーズタイペイ」(中国領台北の意)の名でしか参加できない。
しかし、そのような地名は世界のどこにも存在せず、そもそも台湾を中華人民共和国(以下、中国)の領土と断じるのは、台湾を併合するための中国の政治方針に基づいており、その呼称の使用はスポーツへの政治の持ち込みに等しい。
さらに台湾が中国領土であり、その住民は中国国民であるとの誤った印象、認識を世界に広げることは、台湾人民の尊厳と人権を著しく侵害するものであり、「政治的理由による差別」を禁じるオリンピック憲章にも違反している。
また、1964年に行われた東京オリンピックにおいて、台湾代表選手団は「中華民国:Taiwan」の呼称で出場していることも考慮すべき事実である。
よって2020年東京オリンピック・パラリンピックを、世界に誇れる真の「平和の祭典」にするため、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣をはじめとする国の関係機関は、主催者である公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に働きかけ、台湾選手団を「チャイニーズタイペイ」ではなく、正しく「台湾」と呼称するよう求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
理由 東京オリンピック・パラリンピックを真の「平和の祭典」にするため