東京・八王子市は2006年11月1日、台湾の高雄市と「 友好交流都市協定」を締結した。きっかけは簡単で、高雄市が日本統治時代に「打狗」(takao) と呼ばれ、その発音が八王子市に「高尾(たかお)山」と非常に似ていることだった。当時、 自民党青年局局長だった萩生田光一(はぎうだ・こういち)衆議院議員(前内閣官房副長官) の発案だったという。
当時の高雄市は鄭南榕夫人の葉菊蘭さんが市長代理をつとめており 、萩生田議員らが見守る中、黒須隆一(くろす・りゅういち) 市長と高雄市役所で調印している。
葉菊蘭さんも頻繁に八王子市を訪問していたが、 2006年11月の選挙で当選した陳菊市長も八王子市との交流に熱心で、教育や文化、農業、 芸術など各方面で交流を行い、「八王子まつり」にも参加してきている。
都市間提携より11年目を迎えた今年は八王子市市制100周年の 節目の年で、陳菊市長は去る8月5日、高雄市の中華芸術高校の生徒らとともに「八王子まつり」 に参加し、八王子市の石森孝志(いしもり・たかゆき) 市長とともにキャラクターのパフォーマンスを観覧したと報じられ ている。「日テレニュース24」 が映像とともに伝えているので下記にご紹介したい。
ちなみに、本会調査によれば、 日台間の姉妹都市など都市間提携は、 1979年10月に青森県の大間町と雲林県の虎尾鎮が姉妹町を結んで以来、 今年6月24日の静岡県富士宮市と台南市による「友好交流都市協定」の締結で67件。 2010年まで18件しかなかった日台の都市間提携だが、 東日本大震災の翌年の2012年から急増、この6年間で49件にも上り、 全体の73%にも及んでいる。
2012年:5件、2013年:7件、2014年:8件、 2015年:6件と増えてきて、2016年は14件も結ばれ、年間提携数の記録を樹立。今年もすでに熊本県・ 熊本市と高雄市が2013年に結んだ「国際交流促進覚書」を「友好交流協定」 に正式締結したことを合わせれば10件となっていて、 昨年に迫る勢いを示している。
一方、 日本と中国の友好交流都市は1973年6月24日の神戸市と天津市の締結を嚆矢として369件あるものの、2015年7月30日の愛媛県と陜西省が最後。 2016年の提携は1件もなく、今年に入ってもゼロだ。
中国と比較してみれば、近年の日台間の緊密ぶりがよくわかる。
台湾・高雄市長、「八王子まつり」に参加
【日テレニュース24:2017年8月6日】
東京・八王子市で開かれているお祭りに、 市と交流する台湾第2の都市・高雄の高校生らが参加し、創作舞踊を披露した。祭りに参加した高雄市長は、 日本と台湾の友好関係の大切さを訴えた。
カラフルな衣装に身を包み、 武術と台湾の伝統舞踊を組み合わせた舞を披露するのは、台湾・高雄の高校生。6日まで開かれる「八王子まつり」に、 高雄から2つのチームが参加した。高雄の陳菊市長も見守る中、 現地のゆるキャラ10体によるダンスなども披露された。
記者の取材に答えた陳氏は、日本と台湾の関係について「 近所のお隣さんのような友好関係」だと評価した。
一方、独立志向の強い民進党の蔡英文政権発足以降、 台湾への圧力を強める中国については、「制度として、意思疎通ができるルートが必要」と、 対話を呼びかけた。
台湾・高雄市 陳菊市長「中国は台湾の現政権にさまざまな異議があるようだが、 台湾側は、コミュニケーションや交流が重要だということを理解している」
陳氏は民進党の重鎮で、 台湾メディアからは首相にあたる次の行政院長候補としても注目さ れている。