台湾での報道によると、本日夜に東京都内で開かれた、台北駐日経済文化代表処主催の国慶節レセプションに安倍晋三首相のご母堂、洋子さんが来賓として出席した。
駐日代表処が開催したのは、10月10日に迎える中華民国国慶節を祝賀するレセプション。
国慶節が「中華民国の建国記念日」を指すこともあり、独立派の人々からは「祝賀する必要はない」などと批判の声も挙がっているが、仮に安倍政権が台湾に対する「メッセージ」としてご母堂の出席を水面下で促したのであれば、日本から台湾に対するボールが投げられたものとして歓迎したい。
また、民間交流や観光客の増加など、表面上は非常に友好的な関係が続くように見える日台関係だが、こうした安倍政権の善意のメッセージを受けた台湾側が、現実の外交面でどう活かしていくかが注目される。
聯合報の報道によれば、安倍洋子さんはレセプションの開会直前に会場となった帝国ホテルに入り、謝長廷・駐日代表夫妻に祝意を伝え、游芳枝・駐日代表夫人とともに来賓席の最前列に着席。
大橋光夫・日台交流協会会長が、祝辞のなかで「本日は大変特別なお客様がいらしている」と言及し、洋子さんの出席を会場に紹介すると、会場に集った出席者からは満堂の拍手が贈られたという。
続いて挨拶に登壇した洋子さんは「国慶節レセプションの開催を心よりお祝い申し上げます。常日頃から謝長廷代表とは仲良くさせていただいており、本日お招きいただきましたこと大変光栄に存じ上げております。今後も日台交流がますます緊密になっていくことを心よりお祈り申し上げます」などと祝辞を述べた。
また、ステージ上には洋子さんから贈られた花も飾られ、こちらも会場からの注目を集めていた。
昨年の国慶節祝賀レセプションには、日本側から来賓として安倍首相の実弟、岸信夫・外務副大臣(当時)が出席しており、安倍政権が一貫して台湾に対してその重要性を認識しているメッセージを送っていることが分かる。願わくば、台湾側もこれに応え、日台が両輪となって日台関係の緊密化を進めていくことを期待したい。
【台湾国内の報道を本会台北事務所でまとめたうえ、加筆したものです】