宮崎県を訪問していた桃園市の鄭文燦市長は10月5日、宮崎県庁において河野俊嗣(こうの・しゅんじ)知事と「友好交流協定」を締結した。この締結は、9月29日の広島県尾道市と台中市の「友好交流覚書」の締結に続くもので、本年12件目となる。
宮崎県は台湾との交流促進を図るため、本年2月に新竹県と交流協定を結び、これが台湾の自治体との初の都市間提携で、桃園市が2件目となる。
河野知事は、今年4月に桃園市が開いた「2017年桃園農業博覧会」の開幕式に招待された折、鄭市長を表敬訪問して今後の交流促進について意見交換、鄭市長が宮崎県を訪問する秋ころに交流協定を締結することで合意していたという。
一方の桃園市は中国国民党の牙城と言われていたところだったが、2014年11月末の統一地方選挙で民進党所属の鄭文燦氏が49万2,414票を獲得し、国民党候補を2万9,281票の僅差で破って当選して以降、積極的に日本との交流を進めている。
2014年12月に行政院の直轄委となった桃園市が日本の自治体と初めて都市間提携を結んだのは、本会理事の宮元陸(みやもと・りく)氏が市長をつとめる加賀市だった。この提携を嚆矢に、昨年は立て続けに4自治体と都市間提携を結び、今回の宮崎県が5件目となる。
・2016年05月19日 加賀市(石川県)と友好都市協定を締結
・2016年07月18日 香川県と交流協定を締結
・2016年08月09日 千葉県と友好交流協定を締結
・2016年09月16日 成田市(千葉県)と友好都市協定を締結
・2017年10月05日 宮崎県と友好交流協定を締結
この提携に心から祝意を表するとともに、桃園市市政新聞と中央通信社が関係写真とともにこの提携を報じているのでご紹介したい。また、本年、日台間で結ばれた12件の都市間提携も併せてご紹介したい。年間12件は、1979年以降の日台都市間提携で昨年の14件に次いで多く、往来数などとともに、日台間の交流が密であることを示す指標と言ってよい。
◆桃園市與宮崎縣簽署友好交流協定 鄭市長:促進雙方文化藝術、觀光、教育、體育及產業交流,成為最好夥伴[桃園市市政新聞:2017年10月5日]
1)01月11日 熊本県と熊本市が高雄市と「友好交流協定」を締結
2)01月13日 大分県竹田市と高雄市田寮区が「観光文化友好交流都市協定覚書」を締結
3)02月08日 福岡市と台北市が「起業支援交流覚書」を締結
4)02月09日 中津市と台中市が「自転車旅行と観光交流の促進に関する協定」を締結
5)02月10日 三重県と台中市が「国際交流促進覚書」を締結
6)02月17日 栃木県と高雄市が「経済と教育分野における友好協力覚書」を締結
7)02月21日 宮崎県と新竹県が「友好都市交流協定」を締結
8)05月20日 和歌山市と台北市が「交流促進覚書」を締結
9)06月01日 愛媛県と台中市が「友好交流覚書」を締結
10)06月24日 富士宮市と台南市が「友好交流都市協定」を締結
11)09月29日 尾道市と台中市が「友好交流覚書」を締結
12)10月05日 宮崎県と桃園市が「友好交流協定」を締結
桃園市、宮崎県と交流協定締結 ゆるキャラ同行で「萌え」要素も
【中央通信社:2017年10月5日】
北部・桃園市と宮崎県は5日、友好交流協定を締結した。鄭文燦市長は4日午後、訪問団を率いて台湾を出発した。同市のゆるキャラ、Y桃&園哥(Tao & Yuango)も同行、都市外交に「萌え」要素を加味しながら、文化、観光、教育、スポーツ、産業など各分野での交流深化を図る。
訪問団一行は5日午前、宮崎県の海外貿易の拠点、細島港(日向市)を見学。鄭市長は、同港の主要輸出品の一つである木材は約4割が台湾向けだが、台湾航路が2013年に休止されて以来、他港経由でコンテナ輸送されていると指摘し、航路の再開を希望した。
一行はその後、観光名所クルスの海や総合農業試験場などを訪問。午後には宮崎県庁入りし、河野俊嗣知事と協定締結式に臨んだ。