2011年に開学した日本映画大学(川崎市麻生区)は、映画監督の故今村昌平氏が「失われつつある映画撮影所に代わり、映画製作を志す若者を養成するために2年制の専門学院を開設」したことに由来しているという。1975年のことだそうだ。
現在の学長は、映画監督や劇作家、舞台演出家としても活躍中の天願大介(てんがん・だいすけ)氏で本年4月に就任している。名誉学長は、開学時に学長だった著名な映画評論家の佐藤忠男(さとう・ただお)氏。
10月19日、この日本映画大学と、台湾で昨年9月に開学したばかりの台北市影視音実験教育機構(Taipei Media school:TMS)が協力覚書を締結、カリキュラムの交流や就学ルート、学生同士による映画の共同制作などを進めていくという。
日本映画大学は佐藤忠雄氏が学長だった2013年11月1日、国立台北芸術大学と学術交流協 定を締結していて、台湾との提携は2例目。2012年には韓国国立芸術綜合学校、2014年には北京電影学院、2015年にはインドネシアのジャカルタ芸術大学とも学術交流協定を締結し、アジアや世界の映画界、映画研究を結び付けるコミュニティの構築を目指しているという。
日台間ではさまざまな分野で提携が進んでいるが、映画に特化した教育界でもこのような提携があることに心から祝意を表し、下記に台湾国際放送の記事をご紹介したい。
台北メディア学校、日本映画大学と覚書
【台湾国際放送:2017年10月19日】
台北市影視音実験教育機構(タイペイ・メディアスクール=TMS)が19日、台北市内で、日本の日本映画大学と協力覚書を交わした。今後カリキュラムの交流や、就学のルート、そして両国の学生による映画の共同制作などが期待されている。
TMSは設立から1年あまり、校長の小野氏は日本映画大学の天願大介学長と協力覚書にサインした。日本映画大学は創設42年で、日本で唯一、映画だけを教育目的に作られた大学。すでに韓国やロシア、中国大陸などの大学と様々な交流を行っている。
小野校長によれば、日本映画大学の国際部主任が以前台北を訪れた際、TMSの運営に興味を持ち、天願学長に報告して協力関係締結が決定したという。小野校長は、台湾にはこうした映像教育の交流が大変必要だとし、日本映画大学が協力対象の規模を問わず、またTMSが高校レベルの学校であるにもかかわらず、さらに協力しようとしていることに「とても感動している」と話した。