記念品を交換する合和集団の李勁宏総裁(左)とNKBの外谷敬之社長(中央通訊社の報道より)

日本と台湾の間では近年、姉妹都市などの都市間提携や鉄道提携が頻繁に結ばれていることを本誌ではお伝えしていますが、温泉、動物園、博物館、防災や医療、教育、報道などの分野などでも提携が進んでいて、網の目のように提携分野が広がっています。

このたびは、日本の交通広告大手、エヌケービー(NKB、東京都)、飲食店検索サイトを運営するぐるなび(同)と台湾最大のマルチメディア事業会社、Omni Adsグループ(合和集団)が12月5日に業務提携したそうです。

おそらく広告代理店同士の提携は日台初のことではないかと思われ、心から祝意を表しつつ、下記に中央通信社の記事をご紹介します。


日台の広告代理店が業務提携 観光やグルメの商機開拓へ

【中央通信社:2017年12月7日】

日本の「台湾ブーム」によるビジネスニーズの高まりを受け、観光やグルメの商機を獲得しようと、台湾最大のマルチメディア事業会社、Omni Adsグループ(合和集団、台北市)は5日、日本の交通広告大手、エヌケービー(NKB、東京都)、飲食店検索サイトを運営するぐるなび(同)と業務提携を締結した。共同で日台のマーケティングを開拓することで、広告の国境を無くし、莫大な商機を提供するのがねらい。 

台北市内で同日、調印式が行われ、合和集団の李勁宏総裁やNKBの外谷敬之社長らが覚書を交わした。 

合和集団は交通、屋外広告の台湾最大手で、同広告市場の8割を占める。台湾の空港や台北・桃園メトロ、バスなどの広告を手掛ける。一方のNKBも交通広告を中心に事業を展開。1996年には飲食店検索サイト「ぐるなび」を立ち上げ、2000年に分社化した。ぐるなびは今年5月、台湾に進出している。 

李総裁によれば、NKBとぐるなびは合和集団のプラットフォームを運用し、台湾で日本の鉄道への広告掲載業務を提供する。また、業務提携を通じて、飲食店の格付け本「ミシュランガイド」掲載店などを台湾に進出させ、水準の高い日本の食文化を台湾に持ち込みたいとしている。 

NKBの外谷社長は業務提携について、「台湾に進出している日系企業、日本にビジネスを広げる台湾企業双方にとって、大きなメリットがある」と意義を述べ、双方の技術活用による新媒体の開発や広告市場の拡大に期待を示した。 

中央社の取材に対し、「日本と台湾をつなぐ役になりたい」と外谷社長。「台湾にはまだまだ日本に知られていない良さがある」と語り、日本から台湾を訪れる観光客を増やすため、ぐるなびと一緒に情報発信していきたいと意気込んだ。 

ぐるなび執行役員の杉山尚美氏によれば、日本では近年台湾料理が人気で、レストランで出される台湾料理のメニュー数は3倍に増えたという。今回の提携を機に「日本の食文化だけでなく、台湾の食文化の素晴らしさも発信していきたい」と語った。