12月13日に台北市内で開かれた「第7回台湾アメリカ日本安全対話フォーラム」は、台湾は「財団法人両岸交流遠景基金会」、アメリカは「ヘリテージ財団」、日本は「笹川平和財団」による共同開催で、台湾からは民進党の羅致政・立法委員と国民党の江啓臣・立法委員、日本からは自民党の鈴木馨祐(すずき・けいすけ)衆議院議員と松川るい・参議院議員、アメリカからはトム・ペトリ・元下院議員が出席、「アジア太平洋の共同の戦略利益、安全保証情勢の変化及び台湾の戦略的価値」や「非伝統的安全保障における協力、インターネットの安全保障及び人道救援、災害防止救援」などをテーマに討論したと伝えられている。
このシンポジウムにおいて、自民党の青年局長をつとめる鈴木議員は日本版・台湾関係法に言及し「今後2〜3年以内に進展の可能性があると明らかにした」という。中央通信社が伝えているので下記にご紹介したい。
ちなみに、鈴木議員は岸信夫・衆院議員(前外務副大臣)が会長をつとめる自民党の議員連盟「日台議連」(日本・台湾 経済文化交流を促進する議員の会)の幹事もつとめ、台湾への造詣が深く、日台関係の強化に力をそそぐ親台湾派議員と目されている。
本年(2017年)3月18日から20日まで自民党青年局で訪台して蔡英文総統に面会しているが、蔡総統は直後の21日、日本語で「鈴木けいすけ衆議員が率いる日本自民党青年局の皆さまと総統府で会合を行いました。彼らがいつも台日交流を積極的に図り、台湾訪問を国際交流の『起点』にすること、大変感銘しています」とツイートして驚かせた。
また、鈴木議員らが安倍晋三総理に訪台について報告した際には、安倍総理から「台湾は価値と利害を共有している大事なパートナーだ。青年局を中心に関係をしっかりと強化してほしい」と激励されている。
なお、このシンポジウムには、トランプ政権で大統領首席補佐官をつとめたラインス・プリーバス氏がランチの際に講演を行い、日経新聞は「トランプ氏の東アジア政策への評価に関する記者団の質問に対し、『日本の安倍晋三首相と緊密で、中国の習近平国家主席と良い関係を築き、台湾の蔡英文総統とは電話で話した。非常に注意深くバランスを取っている』と指摘」し、「また北朝鮮問題の深刻さを強調し、『複雑な政治情勢のなかで非常によくやっている』と一貫してトランプ氏を擁護した」と報じている。
日本版台湾関係法「3年以内に進展の可能性あり」=自民党議員
【中央通信社:2017年12月14日】
自民党の鈴木馨祐衆院議員は13日、党内の有志議員で策定を目指している日本版「台湾関係法」について今後2〜3年以内に進展の可能性があると明らかにした。同法は、正式な国交がない台日関係の法的根拠となるもので、鈴木議員は現在、内容について協議しているとし、台湾と日本の公的な交流について盛り込む必要があるとの見解を示した。
台北市内で開かれた「台米日三者安全保障対話シンポジウム」で語った。「台湾関係法」は米国が1979年の中華民国との断交後に双方の実務関係のあり方について定めたもので、米国の台湾に対する武器供与の法的根拠にもなっている。日本とは台日関係の基礎となる法律を定めておらず、同党の岸信夫議員らが制定に向けた取り組みを進めている。
鈴木議員によれば、内容は岸氏が中心となって協議中。武器の供与など安全保障に関わる内容については、盛り込まれる可能性はないとの見方を示した。草案が完成し次第、党に提出しさらなる検討を進める方針だという。鈴木議員は、台湾は日本の重要なパートナーだと強調した。