米国のトランプ大統領は12月12日(現地時間)、台湾との防衛関係強化を定めた「2018国防授権法」(NDAA:National Defense Authorization Act)に署名し、この法案が成立した。

追い打ちをかけるように、トランプ米大統領は12月18日、政権発足後、初めての外交・軍事戦略の指針となる「国家安全保障戦略」(NSS)を発表し、米国は「一つの中国政策」に基づいて台湾との強固な関係を維持することを明記しているという。下記にそれを伝える「台湾国際放送」の記事をご紹介したい。

産経新聞によれば「国家安全保障戦略に武器供与が明記されたのは、共和党のブッシュ(子)政権1期目の2002年以来、15年ぶり。同政権2期目の06年からは記述が消え、民主党のオバマ政権下では言及がなかった」という。

米連邦議会の大統領への意見書が「2018国防授権法」であり、大統領が連邦議会へ提出するのが「国家安全保障戦略」。その両方に台湾との防衛強化が盛り込まれた。中国が台湾に圧力をかければかけるほど、アメリカは中国に圧力をかける構図になってきている。


外交部:台湾は米国の重要なパートナー

【台湾国際放送:2017年12月19日】

外交部が、台湾は米国の重要なパートナーであると重ねて強調した。トランプ米大統領は18日、政権発足後、初めての外交・軍事戦略の指針「国家安全保障戦略」を発表した。その中で、「米国の一つの中国政策」が重ねて表明され、米の国内法「台湾関係法」に基づく、台湾への武器供与が強調されている。

新たな戦略では、米国は「一つの中国政策」に基づいて台湾との強固な関係を維持することが明記されている。その中には「台湾関係法」における台湾に対する約束、つまり、台湾の合理的な防衛上のニーズを満たすことと、(台湾への)圧迫を阻止することが含まれている。

特に注目されているのは、トランプ大統領は戦略の中で特に「台湾関係法」を強調したことと、台湾への武器供与を重ねて表明したこと。これはこれまでの米政府の一貫した言い方、つまり、米の「一つの中国政策」は米国と中国大陸の「三つのコミュニケ」と「台湾関係法」に基づくものと異なる。トランプ政権はそれを「我々の一つの中国政策」と形容、これもトランプ大統領が中国大陸の指導者、習近平氏と初めて対面したときの言い方だった。

外交部北米司の陳立国・司長は19日、これについて談話を発表し、米国は戦略の中で、その「一つの中国政策」に基づいて台湾と強い関係を維持すると明言したことから、台湾側は、それはトランプ政権の台湾との関係に対する支持の現われだと捉え、前向きな発展だと見ていると述べた。

陳立国・司長は、「これは、トランプ政権発足後に発表された初めての国家安全保障戦略だ。その中では台湾との安全保障面における協力関係も言及されている。それは、トランプ大統領は台湾が米国のアジア太平洋地域の安全保障と経済における重要なパートナーであることを認識している表れだ。そのため、戦略の中で台湾の安全保障に対する約束を重ねて表明した。」との見方を示した。