今年は1月1日に交流協会が開設45年目にして初めて改称し、堂々と「日本台湾交流協会」に改めたことをもって年が明けました。これで初めて日本と台湾の交流を推進している機関であることがようやく明瞭になりました。「台湾」とも明示した大きな前進でした。
これに伴い、台湾の亜東関係協会も5月17日に「台湾日本関係協会」と改称し、これもまた45年目にして初めてのことでした。
日台間の交流の深度を示す指標として、本誌では姉妹都市や友好都市などの都市間提携を紹介していますが、今年は別掲のように16件もあり、過去最高の提携数となっています。
また、文部科学省が6月に発表した「高等学校等における国際交流等の状況について」では、海外修学旅行先として台湾へは3万5,775人(232校)と初めて3万人を超え、アメリカへの3万8,453人(281校)に次いで2位に躍り出ています。
前回の平成25年度(2013年度)の調査結果では、台湾へは、アメリカ(3万5,168人、260校)、シンガポール(2万3,571人、167校)に次ぐ3位の2万829人、140校でしたから、生徒数で1万5,000人、学校数も90校以上を増やす大躍進でした。
また、今年の傾向として、日本企業の台湾進出も挙げられるようです。横浜八景島の水族館建設、三井物産とアトレの大規模商業施設出店、台湾でドラックストア事業を展開するマツモトキヨシホールディングス、台湾向け輸出・卸事業の実施に関する広範な提携を行うBEENOSなど、多くの企業が台湾に進出し始めました。広告代理店で交通広告大手NKBの台湾進出も今年のことでした。
このように、今年の日本と台湾は昨年の「最良の関係」をさらに深めた1年と言ってもいいのではないでしょうか。本年を締めくくるにあたり、下記に日台間で結ばれた議会協定や事業提携など主な出来事をご紹介します。
今年1年、皆様には本当にお世話になりました。改めてご指導とご支援に感謝申し上げます。来年が皆様にとりまして素晴らしい年となりますようご祈念申し上げます。
2017年の日台交流
・01月01日 交流協会が「日本台湾交流協会」と改称。
・01月08日 金沢市議会と台南市議会が「友好交流協定」を締結。
・01月17日 台湾が海外修学旅行先の第1位との調査結果を全国修学旅行研究協会が発表。
・02月08日 兵庫県立考古博物館と十三行博物館が姉妹館提携と学術文化交流協定を締結。
・02月13日 日本切花輸出入協会と台湾区花卉輸出同業公会が「姉妹会」を締結。
・03月09日 あべのハルカスと台北101が「友好協定」を締結。
・03月10日 九州観光推進機構と台湾中部観光促進委員会が「観光友好交流協定」を締結。
・03月23日 神奈川の藤沢エフエム放送と台湾国際放送が「相互協力協定」を締結。
・03月24日 総務省が赤間二郎副大臣を公務で台湾に初派遣。
・03月29日 安倍総理が訪台報告の鈴木馨祐青年局長に「台湾との関係を強化してほしい」と激励。
・04月01日 千葉県の銚子電鉄と蘇澳線が「姉妹鉄道提携」を締結。
・04月06日 中部国際空港と台中国際空港が「友好空港提携」を締結。
・04月17日 八田與一銅像の切断事件発覚。
・04月18日 日本李登輝友の会が八田與一像修復・復元「緊急募金」開始(〜4月27日)。
・04月19日 台日文化芸術交流音楽会に安倍総理ご母堂の安倍洋子さんが出席。
・04月21日 頼清徳・台南市長や陳菊・高雄市長らが出席して台南で黄昭堂記念公園の着工式。
・04月23日 台北市内で「台湾歌壇創立50周年記念式典」が開催。
・04月24日 南海電鉄、桃園メトロ、桃園国際空港、関西国際空港の4社が友好協定締結。
・04月29日 春の叙勲で許世楷、黄茂雄、黄天麟の3氏が受章。
・05月15日 長野県阿智村の南信州菓子など3社が台東県や同県観光協会と「提携協定」締結。
・05月17日 亜東関係協会が「台湾日本関係協会」に改称。
・05月21日 長島昭久議員が台北の国内外台湾国是会議で「日本版・台湾関係法の成立が急務」と表明。
・06月01日 沖縄県東部消防本部と基隆市消防局が「職員交換派遣協定」を締結。
・06月04日 在日台湾人団体が糾合し「全日本台湾連合会」(趙中正会長)が発足。
・06月04日 林建良氏が台湾政府より二等華光専業奨章を受章。
・06月06日 日本海事協会が台湾金属工業研究発展中心等と「洋上風力に関わる包括的連携協定」を締結。
・06月08日 京福電鉄と高雄メトロが「観光連携協定」を締結。
・06月09日 鉄道建設130周年の記念祝賀イベントで結解喜幸氏が「台湾鉄道の友」として表彰。
・06月13日 文部科学省の発表で高校生の台湾修学旅行はアメリカに次ぐ3万5,775人で2位に躍進。
・06月15日 国民生活センターと消費者文教基金会が「越境消費者問題に関する協力覚書」を締結。
・06月19日 谷崎泰明・前駐インドネシア特命全権大使が日本台湾交流協会理事長に就任。
・06月20日 柏崎市議会が全会一致で東京オリンピックに「台湾」名で出場を求める意見書を可決。
・06月24日 JR西日本のやまぐち号と台湾鉄路管理局の仲夏宝島号が「姉妹列車協定」を締結。
・06月30日 台湾歌壇、日本奨学金留学生聯誼会、台湾協会が平成29年度外務大臣表彰を受賞。
・07月06日 近鉄グループホールディングスと台湾鉄路管理局が「友好協定」を締結。
・07月07日 上野のアメヤ横丁と台北の迪化街が「姉妹街」を締結。
・07月13日 琉球朝日放送と台湾のTVBSが「連携覚書」を締結。
・07月24日 山梨県と高雄市が「教育・観光協力覚書」の早期締結に合意。
・08月09日 横浜八景島が台湾高鉄桃園駅前で日本初となる「水族館」建設の起工式。
・08月08日 三井物産とアトレが微風集団と共同で大規模商業施設出店の関連諸契約を締結。
・08月21日 大阪市立東洋陶磁美術館と国立故宮博物院が「姉妹関係協力覚書」を締結。
・08月27日 日本台湾交流協会による台湾高校生日本留学プロジェクトが本格始動。
・09月08日 下呂温泉観光協会と台中市温泉観光協会が「温泉観光交流協定書」を締結。
・09月30日 「台湾植物の父」と慕われる早田文蔵博士のレリーフ復元除幕式と腊葉館復元。
・10月08日 東京で「蔡焜燦先生を偲ぶ会」が開催。
・10月13日 マツモトキヨシホールディングスと台隆工業が「基本合意書」を締結。
・10月13日 倉敷中央病院と新光呉火獅紀念病院が「姉妹病院協定」を締結。
・10月13日 ファーマインドと台湾国際農業開発が青果物の輸出入相互協力の基本合意書を締結。
・10月16日 BEENOSと台湾の日薬本舖が「包括的業務提携」を締結。
・10月19日 日本映画大学と台北市影視音実験教育機構が「協力覚書」を締結。
・10月19日 静岡県が高雄市と「防災に関する相互応援協定」を締結。
・11月01日 下北ジオパーク推進協議会と野柳地質公園が「姉妹ジオパーク連携協定」を締結。
・11月03日 秋の叙勲で頼浩敏、劉金標、何春樹の3氏が受章。金美齢氏と林海峰氏も授章。
・11月09日 金沢市議会と台中市議会が「友好交流協定」を締結。
・11月10日 えちごトキめき鉄道の関山駅と台湾鉄路管理局の関山駅が「姉妹駅協定」を締結。
・11月10日 御殿場市と台湾のサッカー協会が「強化キャンプに関する覚書」を締結。
・11月22日 日台が「税関業務協力・相互援助協定」「文化交流の協力に関する覚書」を締結。
・12月02日 兵庫県の千刈カンツリー倶楽部と高雄ゴルフクラブが姉妹提携。
・12月05日 日本の交通広告大手NKBと台湾最大マルチメディア事業会社の合和集団が業務提携。
・12月11日 日本台湾交流協会台北事務所が「天皇誕生日祝賀レセプション」 を開催。
・12月15日 日本サッカー協会と台湾のサッカー協会が「パートナーシップ協定」を締結。
・12月21日 京都の霊雲院と北投の普済寺が「友好寺院」を締結。
・12月22日 台北駐日経済文化代表処が日本人の「台湾に対する意識調査報告書」を発表。