台湾の国史編纂を主な業務とする國史館は総統府直属の機関で、館長は大臣に相当するという。現在の館長は、東京大学大学院博士課程修了の台湾大学歴史系教授だった呉密察氏がつとめている。日本語も達者だ。
去る3月26日、総統や副総統在任中の李登輝氏の写真約32万枚をインターネット上で公開したとホームページで告知した。本年1月から3月にかけてインターネット上で公開した歴史資料の電子ファイルは約116万件に及ぶという。ご関心のある方はぜひ検索してみてください。
ちなみに、2000年から2008年まで館長をつとめた張炎憲氏もやはり東大留学組で、2・28事件研究の第一人者だった。國史館館長時代の2006年、他の研究者とともに3年の歳月をかけて『二二八事件の責任所在研究報告』を完成させ「二二八事件の責任者は蒋介石である」ことを明らかにした。惜しくも2014年10月3日、訪問先のアメリカで心筋梗塞のため急逝している。
本会が2004年(平成16年)10月から始めた「日本李登輝学校台湾研修団」では、呉密察氏にも張炎憲氏にも毎回のように講師としてご講義いただいた。
◆国史館
台北市中正區長沙街一段2號
TEL:02-23161000
国史館、資料116万件新たに公開 李登輝氏の写真32万枚も
【中央通信社:2018年4月4日】
歴史研究機関、国史館は今年1月から3月までに、歴史資料の電子ファイル約116万件をインターネット上で新たに公開した。総統や副総統在任中の李登輝氏の写真約32万枚などが含まれている。
李氏の写真は「第7期副総統時代」「第7期総統代行時代」「第8期総統時代」「第9期総統時代」の4つの時期に分けられており、要人との面会や式典への出席、各地での視察など公務を行う様子のほか、友人との記念写真や生活の様子を捉えた写真なども公開されているという。
これらのほか、1952年まで重工業などの管理を担っていた政府機関「資源委員会」に関する資料約30万件や外交部(外務省)関連の資料約54万件の公開も開始された。
同館は近年、デジタル化した歴史資料の公開を積極的に推進。今年から資料のダウンロードや印刷を許可したほか、新たな資料の公開頻度を毎季から毎月に変更した。