「友好協力に関する覚書」を締結を報じる山形新聞HP

台湾との交流を積極的に進めている山形県の吉村美栄子知事は、知事を団長とする「山形県訪問団」として市町村長、観光関係者、物産関係者など約140名で5月26日から30日にかけて台湾を訪問。

27日には高雄市でさくらんぼや総称山形牛、つや姫などの県産品をトップセールスし、28日と29日には台北市や宜蘭県などを訪れた。

29日に訪問した台中市では林佳龍市長と観光、文化、経済交流などでの友好協力に関する覚書を締結した。山形県はこれまで2016年5月に高雄市と「友好協力に関する覚書」を締結し、同年8月には宜蘭県と「友好都市提携協力覚書」、2017年12月には台南市と「友好交流促進協定」を結んでいて、台中市との都市間提携で4件目となった。

今年は、5月26日に福井県南越前町と台南市白河区が「友好交流協定」を締結したことに続く2件目の締結で、本会調査によれば、これで日台の都市間提携は1979年10月の青森県大間町と雲林県虎尾鎮による「姉妹町」締結以来、75件となる。

心から祝意を表しつつ、地元紙「山形新聞」の記事を下記に紹介したい。また台中市市政新聞はその日のうちに写真2枚とともに伝えているので併せて下記に紹介したい。

◆強化台中日本交流 中市與日本山形縣締結友好城市並簽「台中宣言」【台中市市政新聞:5月29日】


本県訪問団、台湾に桜植樹 チャーター便利用、「山形閣」オープン

【山形新聞:2018年5月29日】

山形空港と台湾・高雄空港を結ぶ初のチャーター便を利用して訪台中の県訪問団(団長・吉村美栄子知事)と民間団体の計約140人は29日、本県と交流覚書を結ぶ宜蘭(ぎらん)県でホテル「山形閣」のオープニング式典に臨んだ。山形新聞、山形放送提唱の「最上川さくら回廊」海外版として、同ホテルのガーデンテラスに桜の苗木7本を植えた。

山形閣は礁渓(しょうけい)温泉内にあり、台湾のハワードホテルグループが経営する。県のやまがた特命観光・つや姫大使を務める廖(リャオ)東漢グループ総裁が命名した。

桜は本県と宜蘭県との友好のシンボルとして植えた。植樹式では寒河江浩二山形新聞社長(山形新聞グループ経営会議議長)が「日本と台湾の絆は年々、確実に強くなっている。皆さんに歓迎を受けて桜を植えることができ、幸せを実感している。山形閣オープン、桜植樹を機に双方の縁が深まることを願う」とあいさつした。

本県側の参加者約130人が見守る中、寒河江社長、吉村知事、清野伸昭山形商工会議所会頭、後藤完司県日華親善協会長、鈴木富士雄県観光物産協会副会長、ハワードの廖総裁、傘下のフォルテホテルグループの廖炳燿社長が苗木の根元に土をかぶせ、桜の生育を祈った。一般参加者もそれぞれ植樹し、自分が植えた木と記念撮影していた。

山形閣は1階に本県の特産品、観光情報をPRするブースを設置。県産ブランド米「つや姫」、日本酒やパスタなどの加工品、じゅうたん、家具、けん玉、紅花染、将棋駒、和傘などの工芸品、レコード針、時計、パソコンなどの工業製品が展示された。本県の逸品の数々は台湾側の参加者からも注目を集めた。

さくら回廊事業は最上川の豊かな自然環境に関心を深め、古里への愛着を次世代につなげていこうと1996年に始まり、これまで県内全35市町村を中心に桜約5千本を植えた。海外版は2012年の台北・国立国父記念館の12本、17年の中国・江蘇省の6本に次いで3例目。

県訪問団は同日、台中市役所を訪問した。県は台中市との間で観光、文化、経済などの分野で相互交流促進を確認する覚書を締結。吉村知事と林佳龍市長が調印した。台湾の自治体との覚書締結は16年5月の高雄市、16年8月の宜蘭県に続く3件目となった。