修復作業が始まる前の紀州庵(2012年7月撮影)。火災などにより、一時は昔の面影を留めないほど損壊が進んでいた(本会台北事務所提供)。

和歌山市と台北市は2017年5月20日、和歌山市出身の平松徳松氏が日本統治時代の1917年(大正6年)に建設した台北市内のかつての料亭「紀州庵」の創建100周年記念式典の中で「交流促進覚書」の調印式を行った。

今年5月に2年間の有効期限を迎え、それに先立つ3月15日、今度は和歌山市で覚書を更新するセレモニーを行ったそうだ。

本会の調査によれば、日台の都市間提携は1979年以来、87件(2018年11月4日現在)。和歌山市と台北市が「交流促進覚書」を結んだ2017年は年間に18件も提携し、これまでの最高記録となり、日台間の交流の深さを示した。詳しくは本会ホームページ「日台姉妹交流」をご参照ください。

ただ、2017年などは3月までに6件もあったが、今年は3月までにまだ1件も都市間提携がなされていないことがいささか気になる。

一方、CyberZと世新大学がスマートフォン広告のトレンド分析・共同研究で産学連携(2月19日)や、つくば研究支援センターと工業技術研究院産業サービスセンターによる「相互協力覚書」の締結(2月20日)、上記の楽天とPChomeの「戦略的業務提携」締結など、経済分野の交流の深度は深まっている。

◆本会ホームページ:日台姉妹交流


台北市と和歌山市、交流促進に向けた覚書更新 友好関係深まる

【中央通信社:2019年3月16日】

台北市と和歌山市は15日、今年5月に期限を迎える双方の交流促進に関する覚書を更新した。更新セレモニーは和歌山市で行われ、覚書には台北市政府の薛春明副秘書長と和歌山市の尾花正啓市長が署名した。双方は今後、文化芸術や観光などの分野で引き続き提携し、親睦を深めていく。 

和歌山市ではこの日、台湾の夕べが開催され、地元の団体「和歌山日台交流協会」が「日台交流について」をテーマに講演した。また原住民(先住民)出身の男性歌手、陳永龍さんが登壇しその優しく明るい歌声で来場者を魅了した。 

両市は和歌山市出身の平松徳松氏が1917年に作ったかつての高級料亭「紀州庵」をきっかけに交流を始めた。双方は2017年に交流促進に向けた覚書を交わし、文化や青少年交流を進めてきた。 

紀州庵は台北市文化局に市の古跡として登録され、修復を経て2014年に文化施設として変身した。毎年5月に関連の祝賀イベントを催している。文化局によれば、今年5月中旬ごろ、和歌山市からの訪問団が台北を訪れ、そのイベントに出席するという。