5月9日、みずほ銀行が台湾貿易センターと、日台企業の連携を促進して東南アジア諸国連合(ASEAN)における市場開拓を目指し「日台企業の連携に関する覚書」を締結した。
よく知られているように、みずほ銀行の前身は第一勧業銀行。1959年に台湾における外国銀行の第1号として支店を開設している、三大メガバンクのなかでも特に台湾との縁は深い。
一方の台湾貿易センター(台湾名:中華民国対外貿易発展協会)は、1970年に台湾の対外貿易促進を目的に、台湾政府と業界団体の支援により設立された非営利公的貿易振興機構だ。会長(董事長)は、陳水扁総統時代に外交部長をつとめた黄志芳氏。
3月8日には、日本企業の台湾進出や貿易を拡大させようと、鹿児島銀行が福岡銀行、秋田銀行に次いで台湾に「台北駐在員事務所」を開設している。いわば金融の礎としての役割であり、みずほ銀行と台湾貿易センターの提携は日台企業の連携促進にある。日台関係がこのような分野でも拡幅されていることに祝意を表したい。
下記にこの締結について伝えるみずほ銀行のニュースリリースと中央通信社の記事を紹介したい。
◆みずほ銀行:台湾貿易センター(TAITRA)との日台企業の連携に関する覚書の締結について
台湾貿易センターとみずほ銀行が覚書 日台企業の連携促進で第三国市場開拓
【中央通信社:2019年5月10日】
台湾貿易センター(中華民国対外貿易発展協会、TAITRA)とみずほ銀行は9日、東京都内で日台企業の連携に関する覚書を締結した。ともに豊富な海外ネットワークを持ち、グローバル化に積極的に取り組む双方の資源を活用して日台企業の連携を促進し、東南アジア諸国連合(ASEAN)における市場開拓を目指す。
調印式では、台湾貿易センターの葉明水秘書長とみずほ銀行の菅原正幸常務執行役員が署名した。
貿易センターが昨年行った東南アジア市場に関する調査では、インドネシアなどに工場を持つ多くの台湾企業が、日本企業と接触する手段がなくて困っていることが明らかになった。今後、みずほ銀行の情報網を使ってこれらのニーズに応えることが可能になるという。
同センターは、台湾企業の強みは東南アジアに綿密な華人ネットワークを持つことや機動性、柔軟性などで、一方の日本企業は研究開発や製造工程の効率化などに優れていると指摘。相互に補い合うことで新たな商機やビジネスモデルが創出されることに期待を示した。