インターネットイニシアティブ(IIJ、東証第一部 3774)は、1992 年、日本企業として初めての商用インターネットサービスプロバイダとして設立。現在では、IIJグループとして約12,000社の法人顧客に対して、インターネット接続、アウトソーシングサービス、WANサービス、クラウド等の各種ネットワークサービスから、システム構築、運用管理などのシステムインテグレーションまで、総合的なネットワーク・ソリューションを提供しているという(IIJホームページより)。

一方、台湾のアドバンテックは、1983年の創業以来、産業用コンピューティングやオートメーション市場における高品質でハイパフォーマンスな製品の開発・製造および販売に携わり、現在、世界26カ国96都市に拠点を構え、産業用コンピュータにおいて世界トップシェアを誇るグローバル企業だという。

8月21日、この両社が業務提携し、アドバンテックが提供している、工場内の設備の稼働状況を把握するIoTプラットフォーム「WISE-PaaS(ワイズパース)」を日本市場向けに「WISE-PaaS JP(仮称)」を開発し、アドバンテックが2020年1月より提供を開始するそうだ。

「モノのインターネット」と訳されるIoT(アイ・オー・ティー:Internet of Things)は、モノに取り付けられたセンサーが人手を介さずにデーターをインターネット経由で送信して知らせるシステム。

李登輝総統は2016年6月、浜田宏一・イェール大学名誉教授との共著『日台IoT同盟』で「日本の先端技術と台湾のセンサー技術が合体すれば、第四次産業革命は必ず成就し、新しい産業革命がアジアから発進する」と喝破していたが、このインターネットイニシアティブと台湾アドバンテックの業務提携がいままさにその時代に突入したことを証しているようだ。

その炯眼にいまさらながらに驚かされるが、心から日台のIoT協業を祝しつつ、下記にインターネットイニシアティブのプレスリリースと「日経 xTECH」の記事をご紹介したい。

◆インターネットイニシアティブ:プレスリリース[8月21日]
 産業用コンピュータで世界トップシェアの台湾アドバンテック社とIIJ、産業IoT(IIoT)分野で ビジネス協業を開始


IIJと台湾アドバンテックが提携、産業用IoT基盤を共同展開

【日経 xTECH:2019年8月21日】

インターネットイニシアティブ(IIJ)と産業用コンピューター大手の台湾アドバンテックは2019年8月21日、業務提携すると発表した。アドバンテックの産業用IoT(インターネット・オブ・シングズ)基盤「WISE-PaaS」とIIJのネットワークやクラウドサービスを組み合わせ、2020年1月から日本国内で販売する。 

WISE-PaaSは工場内の工作機械や生産ラインに接続したアドバンテックの産業用コンピューターやセンサーからデータを収集し、工場内の設備の稼働状況を把握するPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)。日本市場向けに展開する「WISE-PaaS JP」では、センサーからのデータ収集用にIIJのIoT向けMVNO回線や閉域網などを併せて提供する。 

IIJの岡田晋介IoTビジネス事業部長は「2社が連携することで、セキュアな産業用IoTを展開するうえで必要なソリューションをワンストップで提供できるようになる」と言い、製造業などでIoTシステムの顧客獲得に弾みをつけたい考えだ。 

WISE-PaaS JPの販売活動は日本ラッドが担う。物流業や農業など製造業以外に向けた顧客開拓は、各業界に明るいシステム構築事業者とパートナー契約を結ぶことで進めていく意向だ。