みずほ銀行は台湾と縁が深い。前身の一つの日本勧業銀行が1923年に台湾の台北州・台北市に台北支店を開設したことを嚆矢に、高雄、台中、台南、新竹という州所在地に支店を開設している。

その後、日本勧業銀行は第一銀行と合併して第一勧業銀行となり、2002年に第一勧業銀行は富士銀行と日本興業銀行と合併して現在のみずほ銀行となっている。

2015年には、台湾最大手の銀行である台湾銀行と銀行業務を中心とした幅広い分野での相互協力を目的とした「業務協力覚書」を締結し、日本三大メガバンクの三菱UFJ銀行や三井住友銀行よりも台湾に地盤を固めている。

みずほ銀行は5月28日、ハイテク産業の誘致・育成を行う台湾の政府機関「台湾科学技術部南部科学工業園区管理局」(南科)と豪覓管理顧問股?有限公司(StarFab)の 3 者間で、「台湾のスタートアップ企業への成長支援にかかわる覚書」を締結したと発表した。

これは「南科・StartFab とともに、5G・AI・医療分野などの技術に優れたスタートアップ企業を発掘し、資金支援やビジネスマッチング、研究オフィスの提供などのサポートを通じ、事業成長を支援」するための覚書だそうで、事業支援をすることで新しいビジネスにつなげたい意向だという。

本格的な5GやAI時代を迎え、銀行もそれに対応した新しいビジネス展開を求められ、みずほ銀行はその対象を香港や中国から地盤を持つ台湾にも広げたかたちだ。下記にみずほ銀行がリリースした「スタートアップ企業支援にかかわる覚書の締結について」をご紹介したい。


◆台湾科学技術部南部科学工業園区管理局およびStarFab とのスタートアップ企業支援にかかわる覚書の締結について

【株式会社みずほ銀行:2020年5月28日】

株式会社みずほ銀行(頭取:藤原 弘治)は、本日、台湾科学技術部南部科学工業園区管理局(局長:林 威呈、以下「南科」)、豪覓管理顧問股份有限公司(董事長:劉 晏蓉、以下「StarFab」)の 3 者間で、台湾のスタートアップ企業への成長支援にかかわる覚書(以下「本覚書」)を締結しました。

南科は、アメリカのシリコンバレーを目指し、1996 年にハイテク産業(半導体などの電機・電子分野)の投資誘致・育成を目的として設立された政府機関です。園区内には台湾を代表する企業の最先端工場や、関連サプライヤーである日系企業も多数入居するなど、台湾の基幹産業育成に貢献しています。

StarFab は、スタートアップ企業支援のアクセラレーターです。南科と協同し、AI、ロボティクス分野のスタートアップ企業支援プログラムである TAIRA(Taiwan AI Robotics Accelerator)を立ち上げ、同プログラムの第 1 回目のデモイベントでは 1.1 億台湾ドル(約 4 億円)の投資を助成するなど積極的な支援を行っています。

本覚書を通じて、〈みずほ〉は、南科・StartFab とともに、5G・AI・医療分野などの技術に優れたスタートアップ企業を発掘し、資金支援やビジネスマッチング、研究オフィスの提供などのサポートを通じ、事業成長を支援していきます。

〈みずほ〉は、2019 年 9 月に、香港ならびに深セン・広州等を含む大湾区のスタートアップ企業の事業成長を支援するアクセラレータープログラム「Mizuho Crowd Brain」を立ち上げるなど、東アジアにおけるスタートアップ企業の成長支援に取り組んできました。東アジアのスタートアップ企業と本邦大企業との相互マッチングや、イベント開催などを通じて、スタートアップ企業の事業成長をサポートするとともに、日本ならびに東アジアの経済発展に貢献していきます。

以 上