日本と台湾の鉄道同士が姉妹鉄道や姉妹駅を提携するようになったのは、1986年1月25日に大井川鐵道と阿里山森林鉄道が「姉妹鉄道」を締結したのが初めてのことでした。
その後いささか間が空きますが、2013年4月20日に黒部峡谷鉄道と阿里山森林鉄道が「姉妹鉄道」を締結してからは、江ノ電と平渓線の「観光連携協定」(2013年4月23日)、JR四国の松山駅と台湾鉄道の松山駅の「姉妹駅」(2013年10月13日)などが次々と結ばれ、本年(2020年)1月16日に鳥取県の若桜駅と新竹県の内湾駅が「姉妹駅協定」を締結するまで実に39件もの鉄道提携が実現しています。
2013年からだけで38件ですから、この8年間で月平均4件を超える提携ですから、日台の鉄道提携には目覚ましいものがあります。
11月はじめに、近江鉄道(本社:滋賀県彦根市)の多賀大社前駅と台湾鉄路管理局の万華駅(台北市)、伊豆箱根鉄道(本社:静岡県三島市)の伊豆長岡駅と台湾鉄路管理局の礁渓駅(宜蘭県)が姉妹駅を結ぶそうです。
実は近江鉄道も伊豆箱根鉄道も、西武ホールディングス傘下の事業会社の西武鉄道とプリンスホテルなど77社で構成するという西部グループに属しています。
2015年3月14日に西武ホールディングスと台湾鉄路管理局が「友好協定」を締結し、同時に西武鉄道と台湾鉄路管理局が「姉妹鉄道協定」を締結したことから台湾との交流が進み、今回の提携に至ったようです。今年の武漢肺炎の世界的な流行で日台間の往来がほとんどできなくなったにもかかわらず、昨年までのような往来に復する日に備えた提携かと思われます。
これで日台間の鉄道提携は41件に達します。心から祝意を表し、下記に中央通信社の記事をご紹介します。
「日台『姉妹鉄道』一覧」(本会調べ)もご参照ください。
台湾鉄道の2駅、近江鉄道、伊豆箱根鉄道の駅と姉妹駅に 初の制服交換も
【中央通信社:2020年10月16日】
台湾鉄路管理局(台鉄)の万華駅(台北市)と礁渓駅(宜蘭県)が、西武ホールディングス傘下の近江鉄道、伊豆箱根鉄道の駅と姉妹駅協定を結ぶ。台鉄によると、記念式典は11月初めに台湾で挙行され、初の制服交換も行われる予定。
姉妹駅となるのは、万華駅と近江鉄道の多賀大社前駅(滋賀県)、礁渓駅と伊豆箱根鉄道の伊豆長岡駅(静岡県)。台鉄は西武HDと包括的事業連携に関する友好協定、西武鉄道と姉妹鉄道協定を2015年に締結し、交流を進めてきた。
西武グループが台湾に置く連絡窓口によれば、台鉄から贈られる制服は、日本側の各駅長が台鉄との提携を祝うイベントなどで着用するという。一方の台鉄は、民営ではない性質上、他社の制服は着用できないため、展示した後で保管するとしている。