2021年1月28日、茨城県高萩市の本校とともに全国に52キャンパス設置するというインターネットを利用した通信制高校の第一学院高等学校(株式会社立高等学校、旧校名はウィザス高等学校)が台湾・台北市の私立泰北高校と「台日ダブルディグリーコース」における業務提携を締結し、オンライン調印式を行ったという。
この提携により「台湾に住む泰北高校の生徒が台湾と日本の両校の高校卒業資格を同時に取得できる」そうだ。
一方、本誌でもお伝えしたように、日本の高校生の間では「日本の大学の授業料と同じ費用で、1年間の滞在費や生活費などまでカバーでき、中国語と英語が学べるというメリットから、近年台湾留学の注目度は高まっている」ことから、来る3月12日から14日まで、日本台湾教育センターの主催により、台湾の34大学が参加して、学校担当者が大学の特徴や入学方法、奨学金などについて説明するという「オンライン台湾留学フェア2021」が開かれる。
ちなみに、本誌でも毎日新聞の記事を引用して紹介した群馬県高崎市の東京農業大学第二高等学校(東京農大二校)は、台湾への大学進学を促進するために2019年度から華語講座を開設、そのホームページで「2020年3月に本校を卒業した卒業生のうち24名が華語講座を受講し、その全員が台湾への大学に合格(進学)しています(のべ48名合格)。その中でも台湾での最高峰となる国立台湾大学にも合格」と伝えている。
2020年度だけで48名の合格者を出しているとはすごい。日本の高校生の海外修学旅行先ではアメリカやオーストラリアなどを押さえてトップの台湾。また、歴史を共有し、治安もよく、親日感情が強い台湾という誘因に加え、群馬県そのものが台湾との都市間提携が9件にも及ぶという台湾との結びつきの深さもある。現実的には、なによりも学費や生活費が安いというのが最大のメリットだ。群馬県は10年後、20年後、日台関係のみならず世界を牽引する人材が続々出てくる可能性を秘めていると言っていいだろう。
台湾の高校生が日本でのオンライン教育システムで日本の高校の卒業資格を得ることができるようになり、日本の高校生が台湾の大学に入学する──日台関係も教育面では新しい局面に入ったようだ。歴史を共有し、治安もよく、親日・親台感情が強い「近くて近い」日本と台湾ならではの現象だ。
◆第一学院高等学校:第一学院高等学校が台湾・泰北高校と業務提携を締結しました[1月29日]
◆34大学が参加、オンライン「台湾留学フェア」3/12-14
◆東京農大二校:【新たな取り組み】華語講座・台湾への大学進学[2020年10月08日]
第一学院、台湾の高校と業務提携…台湾と日本の卒業資格を同時取得
【リセマム:2021年2月1日】
ウィザスが運営する第一学院高等学校は、台北市私立泰北高校と「台日ダブルディグリーコース」における業務提携を締結。2021年1月28日にオンライン調印式を実施した。泰北高校の生徒は台湾と日本の両校から卒業資格を同時に取得できるようになる。
泰北高校は、バイリンガル人材の育成を重視し、IT先進国ならではのイノベーティブな教育を展開する国際教育推進校。
今回の業務提携は、国際教育学術交流コンソーシアムJapanの協力により実現したもので、「台日ダブルディグリーコース」により台湾に住む泰北高校の生徒が台湾と日本の両校の高校卒業資格を同時に取得できる。
第一学院は、この業務提携を契機に、今後さらなる海外提携校の拡大、第一学院とはじめとするグループ内生徒・教職員の人材交流、文化交流などを通じて、国際社会で活躍できる人材の育成をより推進するとしている。また、第一学院建学当初の「『夢』を意識し、『夢』を持つ」という思いから、日本への留学や就職を希望する海外学生の夢実現も応援し続けていくという。