開発経済学を専門とする著者は、 後藤新平について「変幻自在な政策建議、政策立案・施行を指揮した稀有の官僚政治家」であり「多彩な政治経験を後藤ほどダイナミックに展開した人物は、日本の近代史の中でもそうはいない」と捉え、後藤が最も輝いていたのは40代の台湾総督府民生長官時代だったと説く。

非凡かつ機略に富む児玉源太郎総督の厚い信頼を得、欧州に学んで習得した思想である「生物学の原理」に基づき、アヘン漸禁政策、土匪招降策、旧慣調査、衛生事業、土地調査事業をはじめ、南北縦貫鉄道敷設や基隆築港などの難事業を次々と展開した8年余に及ぶ台湾時代の後藤を会話体も交えてあざやかに描く。

八田與一と磯永吉を描いた前著『台湾を築いた明治の日本人』で児玉と後藤も描かれるが、本書はさらに台湾統治を偉業たらしめた後藤の思想と政策を追究した労作。

◇     ◇     ◇

【中央公論新社  発行:2021年1月15日  定価:1,760円(税込)  四六判・並製・236頁】

◆頒 価:会員:1,600円(税込)  一般:1,650円(税込)
     *送料:1冊=167円 2冊以上実費(日本国内のみ)*入会希望者も会員価格

◆お申込:こちらのお申し込みフォームをご利用になるか、「お申し込み書籍名、お申し込み冊数、お名前、郵便番号、ご住所、ご希望のお振込先(郵便振替・ゆうちょ銀行・銀行のいずれか)、会籍(会員・一般・入会希望)、メールアドレス」を明記のうえ、メールもしくはFAXにて下記の本会事務局までお申し込みください。

◆申込先:日本李登輝友の会

◆支払い:代金後払い 
*本と一緒に請求書を送付します。