9月27日、日本武道館において故安倍晋三・元総理の国葬儀が執り行われ、台湾からは王金平・元立法院長、蘇嘉全・台湾日本関係協会会長、謝長廷・駐日台湾代表の3氏が派遣されて参列しました。また、ご遺族のお招きで李登輝基金会の李安妮・董事長一行の3氏も参列しました。
李董事長、鄭睦群・執行長、王祖亮・助理研究員の3氏は、来日した9月26日に宿泊先のザ・キャピトルホテル東急において開いた日本李登輝友の会による歓迎夕食会に招かれ、渡辺利夫会長や辻井正房・副会長などと親しく懇談しました。
ザ・キャピトルホテル東急は2015年7月、李登輝元総統が衆議院第一議員会館において講演された折に宿泊したホテルで、同行してきた李安妮さんたちも泊ったホテルです。また、議員会館で講演された翌朝、安倍晋三総理がホテルに李元総統を訪ね、朝食をご一緒しながら30分ほど懇談したホテルで、これが李元総統と安倍元総理が会った最後になりました。
夕食会の会場には、ホテル側の配慮により李元総統が当時の支配人に贈った絵皿と写真が飾られ、雰囲気をいっそう和ませました。
この夕食会の前に、台湾の中央通信社と自由時報が李安妮董事長にインタビューし、それぞれ記事にしています。自由時報は夕食会で李安妮さんが挨拶される場面の写真を掲載しています。
また、産経新聞も李安妮さんにインタビューした記事を出していますので、下記にご紹介します。
◆安倍國葬禮台灣代表團抵日 李安妮帶來曾文惠慰問信「自由時報:9月26日」
◆李登輝氏の次女、安妮氏「安倍氏は筋通す政治家」[産経新聞:9月28日]
李登輝氏次女、安倍氏と父に「正しい道歩むと伝えたい」国葬参列へ
【中央通信社:2022年9月27日】
安倍晋三元首相の国葬に参列する李登輝(りとうき)元総統の次女、李安妮(りあんじ)さん。
生前親交があった両氏は、師弟であり友人であり、父子のようでもあったという。27日の国葬では、安倍氏と父親である李登輝氏に「安心してください。私たちは正しいことをし、正しい道を歩みますから」と伝える。
安妮さんは日本に到着した26日、宿泊先のホテルでメディアの取材に応じた。東京・永田町にある「ザ・キャピトルホテル 東急」で、2015年に李登輝氏と安倍氏が極秘に会談した場所だ。両氏が顔を合わせたのはそれが最後になったという。
李登輝氏は15年に訪日。当時首相だった安倍氏が同ホテルを訪れ、30分ほど会談した。同行していた安妮さんは、安倍氏は謙虚で親しみやすい人柄だったと振り返る。
師弟のように、安倍氏は李登輝氏に政治の教えを請い、友人のように経験を分かち合った。そして、父子のように互いの家族を気にかけ、健康を願った。安妮さんは安倍氏と同年に生まれたこともあり、両親は安倍氏を息子のように思っていたという。母であり李登輝氏の妻である曽文恵夫人からは安倍氏の遺族に宛てた手紙を預かった。
「台日友好において重要な役割を担った2人が縁に導かれ、素晴らしい交流を持ち実を結んだ。より豊かな結果になると期待していたタイミングで、2人ともこの世を去ってしまった。これは神が与えた試練だと思う」。台湾と日本には、その役割を担いたいと願う若者が多くいると安妮さんは語った。
自身が董事長(会長)を務める李登輝基金会は、今後3~5年以内に「李登輝記念図書館」を台湾大の敷地内に開設するとも話した。台日関係を深く知ることができる場所を若者に提供できればとの考えを示した。