5月16日、鹿児島県曽於(そお)市と屏東県里港郷が「国際交流促進に関する覚書」を締結しました。
里港郷で行われた調印式には曽於市の五位塚剛(ごいつか・たけし)市長と里港郷の徐国銘・郷長が臨み、屏東県の黄國榮・副県長やリモートで陳銘俊・台北駐福岡経済文化弁事処長が立ち会ったそうです。
曽於市は子牛の生産地、里港郷はえびの養殖で知られるなどともに第一次産業が盛んなことから、覚書では産業の交流を進めるとともに、教育分野でも子どもの交流などについて協力するとしているそうです。
曽於市は、自民党の政調会長や税制調査会会長、防衛庁長官、通産大臣などをつとめ、また日華議員懇談会会長も長年つとめた故山中貞則(やまなか・さだのり)衆議院議員の出身地。
里港郷には、山中氏が台湾の台北第二師範学校を卒業後、教師として勤めていた里港國民小学校があり、山中氏が創立100周年の際に寄贈したYAMAHAピアノはいまもあるそうです。
曽於市によれば、山中氏が教鞭をとっていた縁で、今年の1月10日から13日、五位塚市長や久長登良男(ひさなが・とらお)議長らが里港郷などを訪問して相互の交流について事前協議を行ったとのこと。
その際、観光や物産等も含めて交流ができればとの話になり「徐郷長からも、ぜひ曽於市に職員と行きたい、今後友好都市として交流したいという話も出」、また「里港國民小学校の校長先生からも故山中貞則氏の縁を大事にし、子ども達との交流も考えてもらいたいとの意見」もいただいたそうです。
五位塚市長はNHKの取材に「山中の生き方、あとを継ぐものとして、友好的であることは非常に大事だと思う」と話しています。
今般の曽於市と屏東県里港郷の「国際交流促進に関する覚書」は、4月27日の北海道安平町(あびらちょう)と台南市安平(アンピン)区の「友好交流協定」に続く都市間提携で、今年に入って7件目となります。また、1979年10月の青森県大間町と雲林県虎尾鎮の「姉妹町」締結以来、121件(本会調査)となります。
心より祝意を表し、中央通信社の記事をご紹介します。
屏東県里港郷、鹿児島県曽於市と覚書締結 交流促進目指す
【中央通信社:2023年5月17日】
南部・屏東県里港郷は16日、鹿児島県曽於市と国際交流促進に関する覚書を締結した。まずは教育分野での交流や学校間の相互訪問を推し進め、将来的には観光や農水産品などの分野にまで交流を拡大していきたいとしている。
調印式が里港郷で開かれ、同郷の徐国銘郷長と曽於市の五位塚剛市長が覚書に署名した。屏東県の黄国栄副県長が立ち会った他、陳銘俊台北駐福岡経済文化弁事処長もリモート形式で出席した。
双方は昨年、駐福岡弁事処の協力によってオンラインで交流会議を開き、今年1月には五位塚市長らが里港郷を訪問。相互交流について事前協議を行っていた。曽於市出身の政治家、山中貞則氏が日本統治時代に里港の小学校で教壇に立っていたことを縁として交流が生まれたという。
五位塚市長は屏東と日本があらゆる面で実質的な交流を持てるよう期待を寄せた。徐郷長は、両郷市間の相互訪問を強化し、教育や文化、観光、産業といったさまざまな分野で交流を深めていけるよう意欲を示した。