北海道新聞の報道より

ワインやウイスキーの醸造業が盛んな北海道余市町が5月18日に彰化市と「友好交流に関する覚書」を結び、翌19日には宜蘭県員山郷と「友好交流協定」を立て続けに結びました。2つの都市間協定の調印式にはオンラインで台北駐日経済文化代表処札幌分処の粘信士処長らが立ち会い、員山郷との「友好交流協定」の調印式には、謝長廷・台北駐日経済文化代表処代表もオンラインで立ち会ったそうです。

彰化市によれば、18日の「友好交流に関する覚書」の調印式は彰化市公所で行われ、余市町の齊藤啓輔(さいとう・けいすけ)町長と彰化市の林世賢市長が臨み、林市長は「彰化市の八卦山沿いの山地にはライチや龍眼などの経済果樹が多く植えられており、余市町はリンゴやブドウなどの果樹や果樹園で有名で、両都市は地域文化や地域特性を活かした住みやすい街づくりも得意としており、『持続可能な街づくり』に取り組んでいる」と、余市町との共通性について述べたとのことです。

この都市間提携について報じた北海道新聞によれば、彰化市では近年、ブドウ作りが盛んでワイナリーも広がっていると報じています。

19日の「友好交流協定」の調印式は員山郷公所で行われ、齊藤町長と宜蘭県員山郷の張宣華・郷長が臨んだそうで、張郷長は「ウイスキーの産地でもあるため、余市町と友好交流協定を締結する意義は非常に大きく、農業、文化、教育、観光など多様な分野での交流を通じ、友好関係を深めていきたい」と抱負を述べたそうです。

員山郷といえば、カバランウイスキーの蒸留所があることで知られ、本会の李登輝学校研修団や岡山県支部訪台団なども訪れています。

5月16日に鹿児島県曽於(そお)市と屏東県里港郷が「国際交流促進に関する覚書」を締結したばかりで、余市町による5月18日の彰化市との「友好交流に関する覚書」と翌19日の宜蘭県員山郷との「友好交流協定」は今年に入って8件目と9件目になります。また、1979年10月の青森県大間町と雲林県虎尾鎮の「姉妹町」締結以来、123件(本会調査)となります。

心より祝意を表し、員山郷による報道と北海道新聞の記事をご紹介します。

◆員山郷余市町簽訂友好交流協定簽約儀式 員山郷【最新消息:5月19日】


ワイン、ウイスキーで台湾と友好関係を 余市町、2都市と協定

【北海道新聞:2023年5月22日】

ワインやウイスキーを軸に台湾との友好関係を深めようと、余市町の斉藤啓輔町長や町内外の経済関係者が18~21日、台湾を訪れ、ウイスキー製造で注目される台湾北東部の宜蘭県員山郷などと友好協定や覚書を結んだ。今後、農業や観光分野を中心に交流を深める。同町が台湾の都市と友好関係を結ぶのは初めて。

台湾がウイスキー造りやワイン生産に力を入れていることを知った斉藤町長や町などが今回の訪問を計画。町長と町内外の旅行会社、海産物販売会社のトップら約20人が員山郷(人口約3万2千人)と、台湾北部に位置する彰化市(人口約23万人)を訪れた。

員山郷は亜熱帯地域の台湾が生み出したシングルモルトウイスキー「KAVALAN WHISKY(カバランウイスキー)」の蒸留所があることで知られる。彰化市は周辺の山沿いにライチなどの商用果樹が多く栽培され、近年はブドウ作りが盛んでワイナリーも広がっている。両都市とも余市町と共通する部分が多く、今回の友好関係締結につながった。

町は員山郷と19日に友好協定を、彰化市と18日に「友好交流に関する覚書」をそれぞれ交わし、ウイスキーやワイン、農水産物の売り込みなどで互いの交流促進に努めることを確認した。各調印式には台湾の領事館に当たる台北駐日経済文化代表処札幌分処もオンラインで参加した。

また一行は、台湾の若手経営者団体や大手企業などが名を連ねる「三三会」とも懇談。町内に本社を置き、全国で飲食チェーンを展開する毛利公彦さんは「今回の訪問を機に、台湾マーケット進出の可能性を探りたい」と意気込む。斉藤町長は「農業や観光など互いの優れた分野を発展させ、町内経済の活性化につなげる布石としたい」と話した。