日本李登輝友の会では平成24年(2012年)から毎年、「政策提言」を発表しております。今年も日米台関係研究所の協力の下、今年度の政策提言を作成して3月下旬に発表し、このほど日本文に中文訳と英文訳を付した冊子として刊行いたしました。
日本と中国が「日中共同声明」に署名してから50年を越えましたが、中国は急速に軍事力を拡張し、政治、経済力の増強と併せて地域の平和と安定の脅威となっている国の典型であり、G7広島首脳コミュニケでも「東シナ海及び南シナ海における状況について深刻に懸念している」ことを表明し、「国際社会の安全と繁栄に不可欠な台湾海峡の平和と安定の重要性を再確認する」とともに「両岸問題の平和的解決を促す」ことを表明しました。
しかし、日中共同声明の文言が日本政府の外交・安全保障政策の足枷となって、わが国は、今日において実施すべき国内外政策、特に台湾との安全保障の政府間対話に正面から取り組むことができなくなっています。
そこで、私どもは「中国と台湾は相互に隷属していない」「『台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する』という中国の主張は、事実に反する」との認識に立ち、今年度は以下の政策を提言しました。
① 日台交流基本法を早期に制定せよ
② 広島G7サミット共同宣言における台湾言及のレベルを引き上げよ
③ 首相の施政方針演説において必ず台湾に言及せよ
④ 日台間で安全保障を含む協力を促進し即時の情報交流を実施せよ
⑤ 台湾有事における邦人保護のための日台の協力体制を整備せよ
⑥ 日台の対中抑止力強化のため、海上自衛隊に原子力潜水艦を導入せよ
つきましては、冊子刊行を機に公表いたします。
ぜひお目通しの上、ご理解賜り、実現にお力添えいただきますようお願い申し上げます。
令和5年(2023年)7月吉日
日本李登輝友の会