11月28日、北海道稚内市と屏東県恒春鎮が「友好交流協定」を締結しました。

調印式はオンラインで行われ、工藤広(くどう・ひろし)市長など5人が出席。恒春鎮からは尤史経(ゆう・しけい)鎮長ら約10人が出席したそうです。

稚内市は、西は日本海、北は宗谷海峡、東はオホーツク海に面した日本の最北端。片や恒春鎮は、東は太平洋、西は台湾海峡、南はバシー海峡に囲まれた恒春半島の最南端にあります。

どうして北と南に離れた日台の自治体同士が「友好交流協定」に至ったのかというと、今年2月に台北駐日経済文化代表処札幌分処の粘信士処長からの提案だそうで、稚内市も「稚内と恒春鎮は(日本の)北の端と(台湾の)南の端という対照的な位置にあり、他にはない地理的特有を有している」(10月30日付「北海道新聞」)とその提案を受け入れたからだそうです。

稚内市のホームページで確認しますと、海外ではロシア・サハリン州の3市と友好都市を結び、フィリピン1市と姉妹都市を提携していますが、国内では石垣市や鹿児島県の枕崎市と友好都市を結んでいます。地理的な距離ではなく、地理的な特有性に関心が深いようです。

これで今年の日台間の都市間提携数は19件。これまでもっとも多かった2017年の21件まであと2件に迫りました。日台間の都市間提携も、1979年10月の青森県大間町と雲林県虎尾鎮の「姉妹町」締結以来、131件(本会調査)となっています。

心から祝意を表し、「道内の自治体が台湾の自治体と交流協定を結ぶのは12例目」と伝える北海道新聞の記事を下記に紹介します。


稚内市、台湾・恒春と友好協定 観光や農漁業で協力

【北海道新聞:2023年11月28日】

北海道新聞より

【稚内】市は28日、台湾最南端の屏東県恒春鎮(へいとうけんこうしゅんちん)と友好交流協定を結んだ。市が海外都市と友好交流協定を結ぶのは初めてで、観光や農漁業の分野での協力や、相互訪問による交流促進などを目指す。

日本最北端と台湾最南端のマチの交流として、今年2月に台北駐日経済文化代表処札幌分処から提案があり、実現した。

市役所で行われた調印式には、工藤広市長など5人が出席。台湾からは約10人がオンラインで出席した。

協定は青少年交流や相互訪問の推進など5項目。尤史経(ゆうしけい)・恒春鎮長は「より良いパートナーとなって友好関係を続けていきたい」とあいさつ。工藤市長は「このご縁を大切にし、活発に交流したい。近い将来、直接会えるのを楽しみにしています」と期待した。

恒春鎮は人口約2万9千人(昨年10月時点)で、農業が盛ん。道内の自治体が台湾の自治体と交流協定を結ぶのは12例目。