鹿児島県の塩田康一知事と屏東県の周春米県長は1月22日、青少年や芸術・文化、観光、経済などの分野で交流を促進するMOU(同意書・覚書:Memorandum of Understanding)を結びました。

下記に紹介するTaiwan Today誌の記事ではMOUを「包括協定」としていましたが、中央通信社は「基本合意書」としていました。鹿児島県と屏東県の提携は、基本的に法的拘束力を伴うとされる協定ではありませんので、本会では「基本合意書」とします。

調印式は屏東県庁舎で行われ、「台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表(大使)、台北駐大阪経済文化弁事処福岡分処の陳銘俊処長がリモート形式で見守り、日本の対台湾窓口機関・日本台湾交流協会高雄事務所の是枝憲一郎副所長が会場で立ち会う中、周県長と塩田県知事がMOUに署名した」そうです。

鹿児島県と屏東県の「交流促進に関する基本合意書(MOU)」の締結は、北海道稚内市と屏東県恒春鎮が昨年11月28日に結んだ「友好交流協定」以来となる日台間の都市間提携で、本年初となります。1979年10月の青森県大間町と雲林県虎尾鎮の「姉妹町」締結からは132件(本会調査)となります。

心から祝意を表し、下記に「台湾週報」と「Taiwan Today」の記事をご紹介します。

◆2024年1月22日 謝長廷・駐日代表が屏東県と鹿児島県の友好交流協定締結式にオンラインで立ち会い【台湾週報:1月22日】


屏東県と日本の鹿児島県が交流促進のMOU締結、台日の友好関係がより緊密に

【Taiwan Today:2023年1月22日】

Taiwan Todayより

屏東県の周春米県長(=県知事)と日本の塩田康一鹿児島県知事が22日、青少年や芸術・文化、観光、経済などの分野での交流を促進する包括協定(MOU)にサインした。周県長にとっては県長就任後初の交流協定となる。周県長は、アフターコロナで各国の交流が回復する中、MOUの締結は屏東県の都市外交にとって大きくかつ重要な進展だとし、今後教育や農業などでの連携をさらに進めて台日の友情を深め、互いの繁栄と協働を実現できることを期待した。

署名のセレモニーは屏東県庁舎で22日午前に行われた。台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表(大使)、台北駐大阪経済文化弁事処福岡分処の陳銘俊処長がリモート形式で見守り、日本の対台湾窓口機関・日本台湾交流協会高雄事務所の是枝憲一郎副所長が会場で立ち会う中、周県長と塩田県知事がMOUに署名した。

MOUの内容は、青少年や芸術・文化活動での交流推進、双方の観光交流及び観光PRでの協力促進、そして農林水産業の産品の販売ルート開拓に関する協力の三大項目。

周県長は、屏東県と鹿児島県には似通った点が多いとし、どちらも南端にあることや農業と観光で知られる自治体であることを指摘。両県はコロナ禍にあった2020年に防疫物資の提供から縁が出来、その後リモート形式での交流を重ね、友情を育んできたほか、鹿児島県側では屏東県のイベントに応じて人員をたびたび派遣するなどしてきた。まもなく開かれる今年の「屏東熱帯農業博覧会」には新たに日本パビリオンが出展され、鹿児島県も参加することになっている。周県長は今回のMOU締結について、「既存の友情に新たな1ページを加えるもので、まちがいなく今後の自治体間、市民間のより緊密な関係につながり、教育、文化、観光、経済貿易の面での実質的な交流を促進するだろう」
と述べた。

鹿児島県は日本の九州最南端に位置し、人口約154万人。面積は屏東県の約3倍で、黒豚、黒牛、黒さつま鶏、桜島小みかんなどの農産物、豊富な観光資源、悠久の歴史と文化で知られている。塩田県知事は2020年7月に鹿児島県知事に初当選。過去には経済産業省に勤務し、在イタリア日本国大使館の書記官や経済産業省九州経済産業局の局長など要職を歴任した。鹿児島県知事となってからは屏東県との交流を非常に重視し、今年の新春記者会見でMOUの締結を宣言。今回自ら代表団を率いて台湾に乗り込み、MOUへの署名を行った。